イベント情報

広野未来スピーチ部スタート

堂々とスピーチをするということは、面接やプロポーズと少し似ていて、ちょっと不自然なやり取りを、図々しく、あたかもそれが本当の自分であるかのように振る舞うということですから、決心できていない人は、見ている側からすると痛々しいものになってしまいます。そして、上手にスピーチができるようになるまでに、誰もが「本物のスピーチはできないけれど、スピーチっぽいことをするフリぐらいはできる」という過程を経て、さらに努力をする人、努力し続ける人、そこ止まりの人などと道が分かれます。でも、そこ止まりでも気にする必要はありません。頂点を決めるスピーチ大会に参加する学生たちは、その中で勝負するので、それでもう十分だと思います。私たちは、4分間、6秒に1回のペースで観衆のハートを射止められるM1グランプリ・ファイナリストではありません。3分間スピーチの中で、たった1回、ほんの一瞬、観衆のハートを射止めることができたら、そのスピーチは超がつくほどの大成功になります。スピーチ部は、まさに3分間スピーチの中で、たった1回、ほんの一瞬、観衆のハートを射止めることを目標に、日々チャレンジします。今、「3分間で」と書きましたが、もしかしたら「人生で」と言い換えることができるかもしれません。人生80年で、たった1回相手のハートを射止めることができたら、もうそれで十分だと思います。
今週から週2回スピーチ練習をします。昨日は記念すべき第1回でした。参加してくれた生徒たちの多くがヤンチャな子で、個性派揃いで、親御さんや担任の先生を悩ませているとも聞きました。でも、その個性を思いっきり認めてみたら、みな一生懸命に練習してくれました。相手を不快にさせる発言をしてしまうのは、その子が悪い子だからではなく、どう言って良いかわからないからだと思います。ちょうど3年前、自分が子どもたちにどう接して良いかわからなかった頃、威厳を見せてごまかしていたのですが、子どもたちも、自分のプライドを守るのに必死なのだと思います。でも、指導する側が、生徒の代わりに生徒のプライドを守る発言をして行動を起こしたら、自分のプライドを守るために他人を傷つける必要がなくなりますよね。だから、教師は生徒のプライドを守る言い方をたくさん覚えた方が良いと思います。話と話の間にどんどんそれを差し込むことで、教室運営がスムーズに進められますし、できれば生徒全員に、他人のプライドを守る言い方をたくさん覚えてもらったほうが良いと思います。こういうことは、学校や家庭で学ぶことではないかもしれませんし、全員が人間性の優れた生徒になれるわけではないのですが、真似ならトライできます。焦らず急がず、頑張り過ぎず、一歩一歩やっていきたいと思います。
シェアする