イベント情報

仙台日本語模擬授業&研修

仙台で、技能実習生向けに模擬授業をしてきました。

生まれつき反応が速い人がいて、子どもの頃は、いつも彼らを羨ましく思っていましたし、それは才能だから、自分は頑張ってもできないと、直感的に思ってしまいました。

ところが、すでに準備していること、過去に経験したことに限っては、自分も速く反応できたので、レッスン中に、「速く反応する訓練」を行っています。

また、あまり口に出したことのない言い方というのは、いざというときに、流暢に言うことができないので、とっさにさらりと言えるように、何度も繰り返し読み、見ないで言えるようにする訓練も、レッスン中に行っています。

できることが先で、理解するのは後で良いという考えです。

自分は野球部の補欠でしたが、野球経験の少ない中国人大学生は、わたしのプレーを、神様を見るような目で見てくれました。いやいや、なぜバットにボールを当てられるのか、うまく説明できません。バットにボールを当てられるようになったら、下半身が安定しているから芯に当てられるなどの説明が効くかもしれませんが、まずはバットにボールを当てる練習をたくさんするのが近道です。

話を戻しますが、人に言われなくても、陰で自分でやる習慣のある人は、繰り返し練習することの大切さがわかるはずです。そして、陰で努力する習慣のない人、ほかの仕事で忙しく、日本語学習に費やす時間が取れない人の上達をサポートするため、授業中、繰り返し声に出して読むことを求めました。そこが出発点でしたが、嬉しい副作用は、自信をつけた学生たちが陰で努力するようになったことです。

入門初級の時から学生たちとともに過ごし、彼らが超級レベルに達する姿を見てきたからこそ、いつ、どのタイミングでどうすれば良いのかがわかります。これは努力や才能ではなく、経験のおかげです。

一本のネジを見て、フェラーリをイメージするのは難しいですが、話せなかった学生が話せるようになるまでともに過ごしてきたので、凡人のわたしも完成した姿をイメージできるようになりました。

学生が頑張って音読しているときに、褒めてさえいれば、学生は安心して練習に取り組めます。どこを褒められているかがわからなくても、自分が褒められている、励まされているとわかれば安心できますし、貶されている、批判されていると感じたら、具体的にどこを批判されているかがわからなくても、不安になります。

ひとつひとつを紐解くと、当たり前のことばかりですが、目から鱗というのは、当たり前のことが多いように思います。

さて、久しぶりの仙台で、牛タンをいただきました。竜宮城にいるような、なんだかフワフワした1日でした。

シェアする