ベネツィアで模擬授業をしてきます。
30年前は、だいたひかるさんの名言「みんなと同じ事はしたくないという、みんなと同じセリフ」を地でゆく、典型的な大学生でした。
身の程知らずを絵に描いたようにでっかい夢を語っていましたが、24歳、25歳、26歳と、年を重ねるたびに、肩身が狭くなってゆき、
「ずっと夢を見て、安心してた…」のですが、
才能が枯れ果てていた27歳で、重い腰を上げてお笑いの道に進み、現実に打ちのめされ、絶望の淵に追いやられ、武器だと思っていた発想力や話術が、なんの役にも立たないとわかったのが31歳のときでした。
学生時代は、ちょっと海外に出ただけで、自分は少しぐらいは立派なことをやっていると勘違いしていました。当時の自分を見ると、ほんものの自信を持っていなかったのだとわかります。
「自分はなにものでもない」と認めるしかなく、「こんなくだらない人生を、せめてボロ雑巾のように、どんな場所でも良いので、どうか使ってください…」という気持ちになりました。いま思えば、そのときがターニングポイントでした。
久しぶりにイタリアに行ってきます。