イベント情報

音声指導養成講座第四期卒業式

昨夜は第四期卒業式でした。「録画なし!」ということで、私も含め、皆さんも自由に話ができたと思います。解放された時に人は面白くなりますね。

さて、これまで130名以上の先生がご参加くださり、今、それぞれの日本語学校などで、笈川メソッドを使い放題使っていただいていると伺い、正直、嬉しくて仕方がありません。

参加されている先生方の中には、私よりも年齢が上で、すでに定年退職された方もいらっしゃいます。ヘッドホンでオンライン授業をされている姿を拝見すると、カッコいーと思ってしまいます。

昨年初めて日本にいらっしゃる日本人の先生向けに研修を行うようになり、1年3ヶ月が過ぎましたが、実は、それまで意識しないままやってきたフィードバックが「褒め褒めシャワー」と呼ばれるようになりました。「褒める」という言い方が一番わかりやすいのですが、実際は、「あなたのことを見ていますよ」というサインを出しています。もっと細かいことを言えば、「あなたのことを見ていて、あなたにはこんな特徴があって、私はそこに共感できます」ということを伝えています。

私は幼い頃から、大人がいきなり大きな声で怒り出すのを見て、嫌だなあと思っていました。特にそれは学校で起こりました。その後、お笑いが好きになりました。ボケ担当の芸人さんが最初に小ボケをかました時に、ツッコミ担当の芸人さんは、いきなり大声で突っ込むことはせず、必ず2回は流してくれます。多分、それが自然で、社会人として生きていく上で「他人の間違いを聞き流すこと」って大事なスキルになってくると思います。私は学生の間違いを聞き流すことに力を入れました。なぜなら、他の先生の授業見学をしたときに、いきなり指摘しても効果が薄いと感じたからです。

授業中、「褒め褒めシャワー」を私がやり始めると、数名の学生が真似してくれるようになりました。そこで、「褒め褒めシャワー」の内容を、授業中、朗読するようになりました。そのうち、半数以上の学生が褒め褒めシャワーを使って、クラスメイトを褒めるようになりました。そうなると、他人を褒めることができない学生を排除しようとする雰囲気ができてきました。そこで、他人を褒めることができない学生に「王さんは、角度を変えた味方でクラスメイトに良い影響を与えていますね」などというようにしました。すると、他の学生も「王さんは、いつも私たちの成長を考えてくれています」「王さんは、自分のことより、私たちのことをいつも優先してくれています」というようになりました。

よくいじめ問題が起きた時に、環境を変えない限り、いじめっ子を取り除いても、いじめられっ子を取り除いても、状況はよくならないと言われています。仲間の動きについていけない人はどこにでもいるのですが、排除をせずにまとめることが、私の課題になりました。

相手と関係が深まると、「冷やかすこと」「おちょくること」「からかうこと」「いじること」「変な冗談をいうこと」……つまり、相手が困るようなことを言ったりしたりして面白がるようになりがちですが、それをやめる‼️と決意すれば、おのずと道は開けてきます。仲の良い友だちの間でも、家族の間でも同じで、そういうことをやめた方がより親しい関係になれますし、自分も相手にからかわれ、不快な思いをすることがなくなります。

特にこの10年くらいで『言い換え術』が叫ばれるようになりましたが、言い換え術は、誰もが学び、マスターすべきスキルだと思います。また、心を病んだ人への声がけを勉強して、勉強した内容を生かすため、心を病んでいない人にも使った方が良いと思います。厚生労働省が命を守る『ゲートキーパー』という言葉を使っていますが、全員がゲートキーパーになろうと思えば、2ちゃんねるのひろゆきさんがいう「無敵の人」を作らずに済むのではないかと思います。ゲートキーパーになれるように方法を学んですぐに実践してみたらすごく効果があると思います。1日1回10分でも良いので、先生が「ゲートキーパーになってみよう!」と言って、その時間だけは周囲の人へ心配りをする練習をして、学校でも会社でもやっていけば良いなと思います。

長くなりましたが、来週から第五期が始まります。音声指導養成講座という名前で発音・アクセントの指導法を伝授する!という内容ですが、発音指導の目的も、全ては一つにつながっています。

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