イベント情報

福島市地区小教研セミナー

小教研での講演会とワークショップを終えました。

スピーチはカラオケのようなものだと思っています。以前、とても内向的な友人が、THE BLUE HEARTSの「リンダ リンダ」を歌った瞬間、別人のようになって、全身で歌い、暴れ回る姿を見たことがあります。

スピーチも同じです。最初から最後まで静かに聞かせるスピーチもあれば、しっとりと語り始め、途中でスイッチが入り、最後は大絶叫で終わるスピーチもあります。笑いを入れる型も、問いかけながら進める型もあるので、どれが正しいというものではなく、どれもただのスタイルだと言えます。

ところが、なぜか多くの人は、たった一つの型さえ学ぼうとせず、「自分は人前で話すのが苦手だから」とあきらめてしまいます。また、一つの型を覚えて話せるようになった人が、他の人ができないことを良いことに、偉そうな態度を取る場合もあります。

昔は、そのような人を見ると、その人の性格の問題だと思っていました。しかし、後になって、これは、人間が持つ弱さなのだと知りました。他人に頭を下げたくない、自分を大きく見せたい、できない人より上に立ちたい。そうした気持ちは、誰の心にも生まれるのだと知りました。

尊敬する方から、「だから、お前は学生にスピーチを教えるな」と冗談まじりにお説教を受けたこともあります。スピーチを教えることは、人に影響を与える力を持たせることでもあるからです。その力を、人を勇気づけるために使う人もいれば、自分を大きく見せたり、他人を支配したりするために使う人もいるので、技術だけを教えてはいけないという警告だったのだと思います。

これまで、暗記の方法、筆記試験対策、面接対策、スピーチの方法を、多くの教え子たちから教えてもらいました。うまくいった学生の工夫を観察して、長い時間をかけて実践しながら、誰にとっても成果が出やすい方法を探してきました。

そこで、成績や能力の差の多くは、良い方法を知っているかどうかによって生まれるということがわかりました。だから、教え子たちに「偏差値は、出席番号やスポーツ選手の背番号のようなものだ」と伝えてきました。その人の価値や未来を決める数字ではないとわかったからです。

ほとんどの人が、良い方法を知らないまま学習を続けていますが、同じ方法と練習の機会が与えられれば、順位が大きく変わることもあります。

できるようになっても、できない人を馬鹿にしない。自分が知った方法を独占せず、周りの人にも伝える。一人の成功を、みんなの学びに変えていく。

スピーチはカラオケのようなものです。一曲歌えるようになったからといって、マイクを独占する必要はありません。次の人にマイクを渡し、手拍子をして、歌い出せない人には、最初の一節を一緒に歌ってあげたいです。

話せるようになった人が、次の人の発言を笑顔とうなずきと拍手で支えられる教室をつくりたいです。能力を、人を見下すための道具ではなく、人を励ます力に変えることこそが、スピーチ教育で最も大切なことだと思っています。

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