イベント情報

日本語講演マラソン欧州編

今週、いくつかの授業や講演会を終えてから、欧州へ出発します。まず、ポルトガルで模擬授業をしますが、その前にトランジットでロンドンにおります。
ロンドンでは、以前、北京でお世話になった方とお会いする予定です。「コヴェントガーデンへ行きたい」とリクエストしました。
30年前にコヴェントガーデンのお笑い芸人さんに目を奪われ、「自分も芸人を目指そう」と決意したのですが、結局泣かず飛ばずのまま、お笑いの世界に別れを告げました。その後、中国では、お笑い番組を避けて暮らしていました。ところが、教え子が持ってきたある漫才番組を見て、「いつかまた、舞台に立ってみたい」と思いました。
そうは思っても、すぐに自分が変われるわけはなく、そもそも自分は日本語教師で、自分がやっている授業は学習者主体で、わたしの出る幕もないし、自分は一生裏方の仕事をしていくのだろうなと、半分、いや、ほとんどあきらめていました。
ある日、教え子たちに「もし先生が自分で動かないなら、先生のすごさは一生誰もわからないままだよ」と言われ、「うっせーわ」とも思ったのですが、北京の日本国大使館の方々に背中を押していただき、日本語講演マラソンをはじめました。
しかし、これですべてがうまくいったかといえば、けっしてそんなわけはなく、久しぶりに上がった舞台は、思ったより声が出ない。緊張のせいで、ボディランゲージも使えない。最悪でした。
そこで、毎日続く講演会の後、ホテルでお笑い動画を見て、画面を止めて、声の出し方を真似してみたり、動きを工夫してみたりしていました。
結局、どこの馬の骨とも知れぬイチ日本語教師の話を、世界中の学生たちが初めから受け入れてくれるわけもないので、思い切って、笑いを取りながら、新しい日本語学習方法についての話を聞いてもらうことにしました。
その時役に立ったのが、ロンドン・コヴェントガーデンの芸人さんです。その場にいるお客さんを巻き込むスタイル。これなら、自分が魅了されたように、世界のどこへ行っても学生たちに話を聞いてもらえるだろうと思いました。
もしコヴェントガーデンにいる30年前の自分に会えるなら、これからの30年はとんでもないことが立て続けに起こるから、「どんと来い!」という気持ちでいなさいと言いたいです。
今回の主な内容は、講演ではなく、模擬授業ですが、同じように気持ちを込めて頑張ってきます。
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