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日本語教師による作文指導法

中国で作文指導をされている先生方のテクニックを集めた作文指導本が出ました。

作文募集のため、毎年作文の書き方セミナーをしていますが、コンクールで入賞する学生は、必ず熱い想いを持っています。同時に、熱い想いを持っている先生が指導されると、その影響を受けた学生たちは、毎年入賞しているようです。

筆を持つと力を発揮する学生、先生がいらっしゃいます。そこで、わたしは、教え子の作文を見て、「これを手直ししたら良い作文になるだろう!」と思った瞬間に、作文添削のスペシャリストの先生に電話して、自分の教え子の作文を添削してもらっていました。

そうなると、教え子に、マナーのトレーニングが必要になりました。

そもそも、学生をほったらかしにしておくと、お世話になる先生に対して、自分の名前も名乗らずに「作文を直してください」と書いて、Eメールで作文を送りつけるのはよくある話で、しかも、わるぎがありません。

「学生にバカにされた」と言って泣かれる先生もいますが、学生は、カンニングも授業中に寝るのもそうですが、自分が悪いとは思っていません。なぜなら、答案用紙が配られるときに「カンニングをしてはいけません」と注意を受けませんし、授業の最初に「寝てはいけません」と注意を受けないからです。ベビーシッターさんが、食卓の上を、トイレのモップで拭いてしまうのは、「トイレのモップで食卓を拭いてはいけません」と注意をされていないからです。

普段の授業で、一人一人の学生の良いところを見つけてポジティブフィードバックをする習慣が身についていたら、マナー面で指摘や指導をするときに受け入れてもらえます。生まれ育った環境が違う学生たちに、自分にとって当たり前の価値観を受け入れてもらうには、普段のやりとりが鍵になります。「正しいから受け入れるのではなく、信頼関係ができているからその教師の考えは正しい」となるわけです。

ご縁あって、コンクールにたずさわるようになってから20年近くになります。イベントがないと、教え子たちに、相手を立てたり、尊重したりする体験をなかなかしてもらえないので、作文コンクールは、ありがたい存在ではあります。

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