新米教師だった頃、情熱的なひとたちに囲まれていました。当時中国では、若い日本人男性教師は珍しかったと思います。それが理由でお声がけいただくことがありました。北京師範大学のキャンパスに日本料理屋さんがあって、よく主任の先生とおしゃべりをしていました。その先生がある日、「一緒に教科書をつくりましょうよ」とおっしゃるので、訳もわからぬまま教科書作りがはじまりました。そのうち、「笈川さんの学生は発音がきれいですし、表現力がありますから、録音をやってもらえないかしら?」とおっしゃるので、学生たちにその話をしたところ、みんなが「やるやる!」と言ってくれました。学生たちの録音の評判は上々でした。のちにアニメ声優になった劉セイラさんも何人かの役を担当してくれました。今月の日中国交正常化50周年記念イベントは、その頃からお付き合いさせていただいている北京師範大学で行われました。初めて会う学生たちに「拡張話法」を使って授業をしたら、サクサク進めることができると思います。おすすめです。