イベント情報

南アジア日本語教師セミナー

表現力と発音の良さだけを競い合う日本語朗読大会やテーマスピーチだけのコンテストでは、学習歴半年の学生が学習歴七、八年の学生より良い成績をおさめることもありました。しかし、それは二階建ての家の二階部分を飾りつけただけで、一階は空っぽ、骨組みしかなかったのです。一年生に「型」=「骨」を教えていたので、「型」を知らずに実力をつけてきた他の学生に舞台では、良い成績をおさめることが可能でした。

「人間の営みあへる業(わざ)を見るに、春の日に雪仏を造りて、金銀珠玉を飾り、堂塔を建てんとするに似たり」(徒然草)
訳:人間の一生は、太陽が照っている暖かい日に雪仏を作って、豪華な装飾をし、堂塔を建てているようなことをしている。

教え子がコンテストで初めて優勝したときは、嬉しくて、1週間くらいはご機嫌でした。しかし、そのうち大会直前の練習もマンネリ化していき、気合いが入らないまま大会に臨んでも結果が得られる日々となりました。コンテストという非日常に惹かれ、「俺は人とは違う!」を実現していったのですが、非日常が日常になってくると、ひと昔前にだいたひかるさんが言っていた「みんなと同じ事はしたくないという、みんなと同じセリフ」といった無限階段(有名な騙し絵)にハマってしまいました。

二年前に初めてインドを訪れ、そこからインド人学生との付き合いが始まり、今では教え子の半数がインド人学生です。彼らの発表内容を聞くと、こちらの気持ちが落ち着くことが多いです。今夜は南アジア(インド🇮🇳、ネパール🇳🇵、スリランカ🇱🇰など)日本語教師向けセミナーを楽しく終えることができました。アルン先生、どうもありがとうございました。

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