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一風堂インドネシア研修

超名門校の学生たちからすごい学習法を聞くたびに、「なぜ授業でそれらの方法を使わないのだろう?もったいない」と思いました。でも、こんな疑問を抱いていたのは私だけで、教え子たちは皆、「授業は授業。勉強は放課後自分でやるもの」と続けました。中には「話術のない先生より、私が説明した方が何倍も面白くできますが、授業中は自分が指名されるまで黙っていなければなりません。学校は、朝から晩まで退屈な説明をただ黙って聞く、学生にとっては単なる修行の場です」と話す学生までいました。日本人も最近は率直にものを言うようになりましたが、なんでもストレートに話す教え子たちを見ていて、「やばっ」と思いました。

「先生、授業には意味がないということを意識してください。教室は、新しいことを学ぶ場ではないし、先生に期待もしていません」と言われた時、「なんの武器もない新米教師の自分が取り組むべきは、彼らのすごい学習法を生かした授業しかない!」と思いました。その後、学級会を開いて、教え子たちにすごい学習法についてプレゼンテーションをしてもらい、そのやり方を一つ一つ取り入れて、新しいスタイルの授業を作っていきました。当たりもあればハズレもあって、最初は安定しませんでしたが、当たりだけを集めていくと、次第に学生の能力がその場で伸びていく授業が出来上がっていきました。

それは良かったのですが、新米教師の私には自分の能力を磨く機会がないという問題が出てきました。そこで、放課後3人1組と一緒に練習することにしました。90分後、3人組が帰ると、また新しい3人組が私のところにやって来ました。3人組が代わる代わるやってきて、夜12時にその日のスケジュールが終了。最後の3人組が帰ると、私は急いでシャワーを浴び、電気をつけたまま寝ました。

「え?拗音は2文字で1拍だよ。そんな知識もないの?ダサっ」

などと笑われながらも、10年後には自分が変わっていることをイメージしました。石の上にも3年と言いますが、中国では「舞台の上で1分間のパフォーマンスを披露するため、舞台の下では10年間の努力がいる」という言い方をします。10年間、私はモグラのように土の中でコツコツ実力をつけようと決心して、ようやく外に出たのが10年後の日本語講演マラソンです。それとほぼ同時の2012年、初めてオンライン授業に出会い、自分らしいオンライン授業ができるようになるまで、やっぱり10年の歳月と工夫が必要でした。

20年以上かかりましたが、今回ようやくゼロスタートの学習者向けオンライン授業をする機会に恵まれました。

正しいアクセントの習得についてですが、「ほとんどの日本人だって把握できていないし、日本語を何年勉強してもインドネシア人はアクセントの違いがわかるようにならないからあきらめたほうがよい!」と多方面からご助言をいただきましたが、今日で3回目。ほとんどのスタッフができるようになりました。つくづく思うのですが、できるかできないかは、やっぱり自分でやってみないとわかりません。

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