イベント情報

シュリーマン日本語研修

「聞き方を鍛えるなんて、珍しいですね」と言われますが、私たちは、子供の頃から聞き方の訓練を受けてきたように思います。

昭和の時代にも「聞き方教育」はありました。校長先生や社長さんなど、地位の高い人が話すときには、姿勢を正し、静かに聞くことが求められました。

人は、無表情やしかめっ面で聞かれると不安になりますし、否定されるかもしれないと思うと、言葉が出なくなります。地位の高い人の中には、そのような顔をしながら聞いて、話し手の話を止めようとする人もいます。

しかし、笑顔でうなずいていると、誰もが安心するようです。最初、わたしがその顔をすると、ほとんどの場合、相手にびっくりされますが、すぐに落ち着きます。

笑顔で小さな拍手をすると、教え子たちは勇気を出してくれます。こちらが楽しそうに聞いていると、「もっと話してみよう」と思ってくれるようです。

人の話を笑顔で聞く練習をたくさんしました。最初は自分でもわざとらしいと思いましたが、話し手はそれを嫌がらず、むしろ嬉しそうに話していました。聞き手を育てることによって、話し手の能力を引き出せると思いました。

講演会では、ひとりでペラペラと喋ってますが、懇親会や食事会では、私は聞き役なので、毎回、皆さんがたくさん話してくれます。

話せない人がいるのは、その人に話す能力がないからではなく、話したくなる空気がないから。そんな気がします。無口だった人も、自分の得意分野の話をするときは流暢だし、話術も凄いです。楽しく聞く習慣が身につくと、話し手の凄さによく出会います。

こちらが眉を上げて目を開いて、常に笑顔で大きくうなずいていたら、教え子たちは、心から喜んで、たくさん話をしてくれますし、不思議ですが、礼儀正しくしてくれるので、昭和時代に求められていた秩序も守られます。中でも一番良いのは、話す自信ない教え子たちが、話し始めることをあきらめたり、話し始めてすぐにあきらめたり、話し終わった後に落ち込んだりすることがありません。楽しく聞く訓練は、やっぱりしたほうがいいと思います。

シェアする