世界各地の日本語教育の現場を見てみると、だいたいどの国にも頼りになる先生がいて、キルギスの場合、ガリーナ先生という伝説の教師がいらっしゃいます。コロナ前に、「キルギスにいらっしゃるのを待っています!」と誘っていただき、スケジュールをバッチリご用意していただきましたので、完全に訪問一択で、コロナ直前だったこともあって、無事に訪問できました。また、日本国際交流基金さん、名古屋大学さんからサポートをいただき、お隣、ウズベキスタン、カザフスタンも訪問できました。
さて、キルギスでは首都ビシュケクで楽しいひと時を過ごし、中央アジア日本語スピーチ大会の会場に到着すると「本日の審査員長と大会の総評をお願いします!」と依頼され、一瞬、頭がフリーズしました。でも、「ご配慮、ありがとうございます」と笑顔で答え(多分、引き攣っていたと思います)、コンテスト中はメモをとるのに精一杯でした。使ったメモ用紙は30枚。総評では話す内容を選ぶ作業に追われ、その結果、発表者を褒めまくる時間になりました。出場する学生も指導する先生も大変だったでしょうし、大学は自分の生徒の成績が気になります。でも、入賞者は6名ですので、半数以上の学生と指導教師の努力が報われないのがスピーチコンテストです。総評では、20名の出場者に対し、20分間かけて一人一人良かったところを10個くらい挙げました。理由は、「入賞はできなかったけど、勇気を出してコンテストに出て良かった」と思ってもらいたかったからです。将来その学生が親になった時に自分の子供に「ママ(パパ)はね、日本語コンテストで審査員の先生からたくさん褒めてもらったんだよ。日本は素晴らしいところだよ」と言って、自慢をしながら日本のPRもしてもらいたいからです。
とにかく、そんなドタバタ劇を終え、その後もキルギスの皆さんとの交流が続き、カザフスタンでお世話になった外交官の方がキルギスに移られたことをきっかけに、オシュ日本センターを紹介していただきました。長くなりましたが、オシュ日本センターさんとの馴れ初めです。
4回の番外編を終え、くろしおスタジオに戻ってきました。今回、初めて海外の日本語学習者が出場してくれました。彼らはまだ日本に来てくれたことがないのですが、日本を好きでいてくれる学生たちのスピーチを聞くと、元気が湧いてきます。どうぞご覧ください!