小学生へのスピーチ指導は本当に勉強になります。子どもたちが恐れているのは、人前で発表することではなく、「浮く」ことだそうです。最近は「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」という本を読んでいます。
「浮く」のが怖いという理由も彼らの気持ちもわからなくもないのですが、「浮く」ことを恐れる子どもたちが浮かないように、一人を褒めたらほかの数人も同時に褒めて、道連れにしています。それを数回繰り返したら、全員が褒められることになるので、誰も浮かなくなります。これは、外国人学習者への日本語授業でも役立っています。
学生たちは「浮く」ことを恐れているので、すべての学習者のすべての発言に対して的確な褒め言葉を使ってフィードバックすれば、良い発表をした学生もたいしてうまくできなかった学生も浮かすに済みます。「ああ、この教室では自分が褒められても、浮かずに済むぞ」と安心してくれるので、学生たちは取り組みに専念してくれるようになります。
わたしはきっちりスピーチを指導したいのですが、子どもたちにとって、スピーチスキルを身につけるのが目的ではなく、学校とは違う感覚を味わいたいようですから、妥協点を見つけることが大事ですね。ビデオは、子どもたちのNG集です。