20年以上前に、秋田県にある国際教養大学のサマーキャンプで10日間、台湾国立政治大学の学生たちの授業を担当したことがあります。
その時、鮎澤孝子先生に「アクセントのところで音が上がり、アクセントの後ろから音が下がるといった指導をすると、学生の発音が悪くなるので、アクセントのところで音を下げて、アクセントの後ろからは、中国語の軽声のように、やさしく軽く弱く発音するように指導すると発音が良くなります。でもこれは日本語音声学の常識と違いますよね」と話したところ、「笈川さんの言っていることが正しいかもしれませんね」と、遠くの空を見上げながら答えてくださいました。
また、石田敏子先生という有名な先生がいらっしゃり、10日間、私の授業を見てくださいました。わたしは、「石田先生、私よりも学生の日本語を上手にできる先生は、この世界にいますか?」とお聞きしたところ、「わたしの知る限り、いません」とおっしゃいました。
当時、私は日本語音声の基礎がなかったので、毎月一回鮎澤先生が段ボール2箱分、最新の音声学の教材と練習問題を北京に送ってくださったので、放課後学生たちと一緒に発音練習をしていました。そのご報告を毎月していたこともあって、サマーキャンプに毎年誘っていただきました。OJADの峯松先生をご紹介くださったのも鮎澤先生です。鮎澤先生がやさしく育ててくださり、石田先生にもやさしくしていただきました。
OIKAWAアプローチが、安心できる教室や励ましを優先しているのは、わたしも、素晴らしい先輩方からやさしくしていただき、励ましていただいたからです。