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TODAアカデミー卒業式

勘の良い先生は「なーんだ簡単」と言いながら、たった20分の説明だけで楽譜がつけられます。「アクセントがわからない」とおっしゃる先生も、実は入門レベルの学習者と一緒に第1課から一歩一歩学ぶと、第5課の頃には、全員できるようになります。絶対音感も必要ありません。漫画『JIN〜仁』が流行った時、日本人留学生から漫画をもらった教え子から、「先生は、南方仁先生みたい。未来から便利な道具を持って現代に来てくれた」と言われました。「いやいや、楽譜は中国語ピンインの日本語版!」と言っても、謙遜していると誤解されました。新米の頃からつけていた楽譜ですが、恥ずかしい話、帰国するまでマスターされた先生がいませんでした。ですから、このセミナーで楽譜をつけられる先生が増えたことは、本当にありがたいことです。

もう一つ、新米の頃、わたしの前には、1つの質問に対し、ひとことでしか返せない学生しかいなかったので、せめて20秒の尺で回答してもらいたいと思い、そのための対話教材を作っていました。そのうち、どの学生も10分でも20分でも話すようになったので、40秒ルール、90秒ルールなどを後付けで実施しました。でも、帰国してわかったのは、今でもやっぱりひとことでしか答えられない学生が多かったことです。悩まれている先生を見ると、「ああ、あの時の自分と同じだ!」という気持ちになります。「どうせ学生は上手にならない」と言って開き直る先生もたまにいらっしゃいますが、「どうして学生を上手にすることができないのだろう」と考え、悩み苦しむ先生が好きです。実は、二言目の壁を越えたら、語学の勉強は楽しく、これまではほんの一部の学生だけが喜びを味わっていましたが、楽譜と対話のための教材、それと発話トレーニングで、クラス全員がその壁を越えられるようになりました。教え子たちが自由に話すところを見て、先生方が喜ばれています。

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