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TCJ日本語教師養成チャンネル

こちらは、TCJで受けたインタビューの2回目の動画です。
グループワークをしていると、あるグループは盛り上がり、ほかのグループは盛り上がらないというのは、あるあるですよね。
グループ内で、ある人がしゃべりまくり、他の人がひとことふたことで終わってしまうというのもあるあるですよね。
最近は、「ひとりの発言時間を40秒に抑えるように!」とか、「60秒から90秒でまとめてください」とか、制限時間を決めてから指示を出していますが、以前はそうしていませんでした。
「型」を使って、学生が言えること、言いたいことを見つけられるよう誘導すると、どの学生も「日本語を話すことに夢中になる」ので、彼らは、知らぬ間に、4、5分話し続けてしまうのです。日本に留学した教え子が、授業中、長時間話しまくって、周りの学生に迷惑をかけたと、担当の先生から苦情のEメールが届いたことがあります。
反省して、時間制限を設けることにしました。
そこで化学反応が起きて、「発言者の話を、ほかの学生たちが身を乗り出して、興味津々な相槌を打ちながら聞いて、話を盛り上げると同時に、タイムキーパーもやる」。これだけで、どのグループも盛り上がりますし、クオリティの高い討論ができます。そして、その場に私は必要ありません。
「何段階も難関があるので、そこまで辿りつきません」とおっしゃる先生がいますから、文字による説明に限界を感じてしまいますが、実際にやってみると、難関はあっという間に乗り越えられます。まるで、幼稚園に通う子どもたちが、ピクニックを楽しむように。
トレーニングの場に、日本人の学生が混じると、日本人の学生も、感情的にならず、緊張もせずに、上手に討論することができるようになります。相手を尊重しながら聞いて、相手を尊重しながら話すというのは、「母語ならできる」というわけではないんですよね。

 
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