【報告】
誰もが一度くらい、仲間はずれにされて傷ついた経験があると思います。だから、「これ以上傷つかないために、変わった人とは距離を置いたほうがいい」と考えるのも自然なことです。実際、世の中では「苦手な人とは無理に付き合わなくていい」「合わない人とは距離を置こう」と言われることも少なくありません。
でも、ときどき思います。距離を置くことは、相手を仲間外れにする行為なのではないか、と。
名を馳せたご老人が、いつまでも昔の武勇伝を話し続けることがあります。理由は人それぞれでしょうけど、聞いている若い人たちが退屈そうな顔をして、「また始まった」という雰囲気を出し、少しずつその人から離れようとしていたら、ご老人もそれを感じ取って、「自分にはまだ価値がある」「昔はこんなにすごかったんだ」と、ますます証明したくなるのではないか。反対に、みんなが尊敬の眼差しで「すごいですね」「そんな経験をされたんですか」「それは知りませんでした」と言ってたら、案外、話が早く終わるかもしれません。
人は、認められないときほど、自分を証明したくなります。意見の違う人についても同じです。自分とは違う考えを聞いたとき、「そんな視点、私は持っていませんでした」と驚いて言えば、相手は「新しい視点を与えてくれた人」に変わります。
先生方との関係も同じで、学生をかなり厳しく管理する先生がいます。私は、その先生が本気で学生のことを考え、きっちり仕事をしているのであれば、やり方が違っていても信頼します。方法は違っていても、ゴールが同じなら、話が合います。必要なときに嫌われ役を引き受ける覚悟のある人を、信頼します。
自分とは違う価値観の人の中にも、その人なりの責任感や優しさや覚悟があって、そこを見つけることができれば、仲間になっていきます。仲間はずれにしないというのは、違う人を、すぐに敵にせず、違う考えを、すぐに切り捨てないことです。
嫌いだから切る。合わないから外す。違うから遠ざける。仲間はずれは、クラスで合わない人の陰口を言って、自分の仲間を増やして、その子の居場所を奪う発想だと思います。その子の居場所を奪うことはしたくないですよね。