『素顔のニッポン』が出版されました。
私が大森先生ご夫妻と初めてお会いしたのは、20年近く前のことです。日本に帰国する度に、書店で大森先生の『作文コンクール集』を見ながら、「いつか大森先生に会いたいなあ」と思い続け、憧れを抱いていました。それで、思い切ってメールを出しました。何度かやりとりをさせていただいた後、大森先生は私に「力になりたい」とおっしゃり、勇気を与えてくださいました。
私は、いまでも日本語活動を逐一ご報告していますが、大森先生は本当の親のように喜んでくださいます。正直な話をすれば、実の父親、母親以上の存在です。以前テレビ番組で、石破茂さんが田中角栄元首相のことを「無類の、見返りを求めない親切なおじさん」とおっしゃいましたが、その時、私が思い浮かべたお顔がふたつありました。
2011年、東日本大震災の直後、「中国全土の大学を訪問して、学生たちに新しい日本語学習方法について話したい」と相談させていただきました。その後、中国全土の名門校の学院長のみなさまが「大森先生のためなら
」ということで、わたしの講演会を受け入れてくださり、講演会が終わると、宴会をご用意してくださり、わたしが中国でたくましく生きていけるようにとたくさんの宝物のようなご助言をくださったり、名門校の周りにある大学にも、小さな都市の小さな大学にもお声がけくださったりしました。『日本語講演マラソン』の旅に出た私は、大森先生には、逐次ご報告をさしあげましたが、どんなときも、失敗してしまったときも、暖かく励ましてくださいました。
なにか辛いことがあったときや、超えられそうにない壁にぶち当たったときに大森先生ご夫妻がこれまでされてきたご苦労を想像すると、自然と力が湧いてきます。
私は、大森先生ご夫妻のＤＮＡが注入されていると、勝手に思っています。そして、見返りを求めない親切なおじさんとして、日本語学習者のために生きていこうと思っています。
『素顔のニッポン』を読みたい！という方は、こちら。
https://www.nihonwosiru.jp/digital_book_sugao_no_nippon/