レイ(ラエ)・トモダチ空港に迎えに来てくださったのは、パプアニューギニアで知らぬ人はいないといわれるほど有名なハラダ・デカさんでした。
車に揺られて移動する途中、「この道は気をつけたい!」と。武器を持った人が突然現れることがあるからだといいます。治安は2019年頃から悪化し、昨年には暴動まで起きたとのこと。けれど、誰もが口をそろえて「もともとはやさしい人たちだった」と言います。
デカさんは、心配りと洞察力を持ち主で、今回のイベントをアレンジしてくださいました。学校のキャンパスに一歩足を踏み入れれば、温かさがあって、どの教室でもフレンドリーでやさしい子どもたちの姿に出会うことができました。
これまで多くの日本語学習者に授業や講演を行ってきましたが、「あいうえお」を知らない子どもたちに教えるのは初めてでした。親日国と聞いていた通り、子どもたちは目を輝かせて学び、日本語の授業を心から楽しんでくれました。
高校生は多忙なカリキュラムに追われ予習復習の時間が取れないそうですが、小学生にはまだ余裕があるようです。
もちろん、パプアニューギニア中のすべての小学校の授業を英語から日本語に置き換えることは現実的ではありません。けれども、いくつかの学校だけでも、教師が威厳で生徒を抑える旧来の授業から、勉強が得意でない子どもでも笑顔で挑戦でき、教室で活躍できる日本語の授業に切り替えられたなら。そう思わずにはいられないほど、子どもたちは楽しそうに学んでくれました。