たとえ素晴らしい発表であっても、別の視点から見れば、改善できるところは10も20も見つかるものです。
でも、そこをあえて言わず、先生がぐっとこらえて、まずは学生に心からのポジティブフィードバックを贈ると、その瞬間、学生の中に巣食っていた「恐れ」や「自己否定」が、ふっと消えていきます。
だからこそ、そのあとに伝えられるたったひとつの改善点は、学生の心にしっかりと届き、深く根づいていくのだと思います。
野球にたとえるなら、三振ばかりする子どもに、100個のアドバイスを一度に与えて、すぐにイチロー選手のようになれるのなら、それも良いかもしれません。
でも、現実はそうではありませんし、イチロー選手になる必要もないと思います。
昨日より今日、今日より明日。一歩ずつ、確実に前へ進むために必要なのは、学生が「受け取れる」たったひとつのアドバイスだと思います。
今日の11週目の授業で、先生方がどれだけ葛藤し、どれだけ我慢し、どれだけ工夫されていたかを見せていただきました。
学生に、ただ正解を与えるのではなく、信じて待つ力、引き出す力を持って接していらっしゃることに心から感動しました。
これから学生たちは、きっとどんどん伸びていくだろうと思います。
「信じる力」は、本当に尊い力なのだと改めて感じました。
ところで、6月28日は、漢城高校での講演会後、ソウルの大学教師向けにワークショップを行います。大事な1日になりそうですので、体調管理もしっかり頑張ります。