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面接前研修

いま、研修を受けてくれている学生たちは、企業に自分の自己PRビデオを送っていると聞きました。
ビデオ撮影の前に気合いを入れて臨まないと、誰だってキラキラ輝くことができませんよね。練習で、笑顔で目を開けたままカメラを見続けて、元気いっぱい、自信満々に話せたとしても、本番では緊張してしまい、なかなか本領を発揮することができません。本番に強くなるため、教え子たちは、撮影直前に、鏡に映る自分を見ながらガッツポーズをとって、「俺はすごい、俺はできる」と10回唱えます。ほかのみんなもやるから、恥ずかしさも飛んでしまいます。最近、面接試験に合格して日本就職を決めた学生たちも、何度か悔しい思いをしたそうです。でも、気持ちを切り替えて、勇気を持ってチャレンジするしかありません。
たまに学生たちから「先生は挫折したことはありませんか?」と言われます。みんなと同じように挫折もしましたし、若い頃、言われるたびに凹んだのは「そんなのできるわけがない」「あなたじゃムリ」などといったネガティブな言葉の数々でした。最初、自分の味方は自分しかいなかったので、自分で自分を励ましていました。そのうち、教え子たちに励ましてもらえるようになりました。
22年前、民間の短期大学に通う教え子が日本語を上手に話すのを見たある先生が「ここの学生のレベルが低いから笈川さんにぴったり合うわ」とおっしゃいました。ひどいなと思いましたが、そのあと、その学生は北京大学に合格しました。
半年後、清華大学にいるとき、コンテスト会場で、ある先生から「笈川さん、勘違いしないで。あなたじゃなく、学生が優秀だから優勝しただけです」と言われました。でも、その場にいた教え子が「優秀だから優勝できたわけじゃなく、努力したから優勝できたことを、あの先生はわからないのか?」と言ってくれたので、救われた気持ちになりました。
十年後、中国全土から集まった学生たちが上手になるのを見たある先生が「笈川さんのやり方は、中国人にしか通用しないわ」とおっしゃいました。その場にたまたまロシア人学生がいて、「先生のやり方は、ロシアならもっと報われます。ロシアにいきませんか?」と言ってくれました。彼女が地元の大学の学長に直談判してくれたおかげで、わたしは世界に飛び出すことができました。学生を励ましながら一緒に成長していくやり方に、「○○人向け」というのはありませんよね。
もしかしたら、あなたの周りに「どうせできない」「あなたじゃ無理だ」という人がいるかもしれません。でも、そんな言葉をスルーして、自分を信じて、コツコツ頑張り続けていたら、あなたに酷いことを言った本人も自分が言ったことも忘れて、10年後「あなたのことをずっと信じていたわ」と言い出すかもしれません。そんな日がくることを楽しみにしながら、今日一日、全力で頑張りましょう。
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