お笑い芸人のカズレーサーさんがインタビューでこんな話をされていました。「自分がいなくなっても誰も困らない。スティーブ・ジョブズでさえ、いなくなってもアップルの業績は上がり続けている」と。
「あなたがいなければ学生たちのレベルが下がるから困ります」と言ってもらったことがあり、それを励みに頑張っていますが、実際、学生たちのレベルが下がっても、日本語をやめても不幸になるわけではありませんよね。
「自分がいなければ誰かが困る」という幻想を求めていたのはほかでもなく、自分だったのだ!という考えに行きついたら、気持ちが楽になりました。
自分なりにできることを普通にやり、目の前の仕事に専念する。その上で、自分が役に立っているとは思っていませんが、どんな形でも良いから、いつか誰かの役に立てたらと思って、仕事をしています。
今回、釜山日本語教師会セミナー開催に際して、全面的にお力添えくださった藤田先生、釜山日本語教師会のみなさん、日本、中国、東南アジア諸国からたくさんの先生においでいただきました。本当にありがとうございました。
セミナーではテクニックの話をしました。もちろん、テクニックが一番大事だとは思っていません。でも、プロとして働くなら、テクニックはあった方が良いと思います。なぜなら、授業準備が短縮できて、教室運営を含めた教師の負担が軽減できるからです。それに、学生たちも何倍も速く習得できるので、学生の負担も軽減できます。それに、圧力ではなく、やさしさで学生たちをまとめたほうが長続きすると思います。そのときのやさしさは8割がテクニック、2割が熱い想いで心配り。このバランスが崩れてしまったら、相手が自分の思い通りに動かないと思った時にイライラしてしまうはずです。日本の美しい伝統である我慢の精神は、相手にも同じものを求めがちですが、テクニックが習得できたら、自分の価値観を相手に押し付けることもないので、誰も傷つかずに済みます。ですから、テクニックを習得したいです。