もし最初から信頼関係を築くつもりがないのなら、罰を与えるなどして、上からの圧力で学生をコントロールすることである程度効果が得られるかもしれませんが、たとえ短い期間であっても、信頼関係を築きたいと思うので、やさしい気持ちで学生に接したいです。
ただ、家庭でも学校でも、親や先生にやさしい気持ちで接してもらった経験の少ない教師が、目の前にいるあまり優秀といはいえない学生にやさしく接して、褒めるのが難しいことも理解できます。日本語教師養成講座でもっとも多く聞いた感想が「初めて褒められました。笈川さんに褒めてもらえたので自信がつきました」というものでした。教師自身がほとんど褒められることがなくて自信がないから、優秀とはいえない学生に厳しくあたってしまう…。それが自然ですよね。
わたしがセミナーで「学生を褒めると学生は伸びますよ」と説明しただけでは、ほとんど成果が得られないわけで、実際に教師ひとりひとりに、「大歓迎され、大絶賛され、他人から認められる体験」を何度も何度もしてもらい、学生にやさしく接したときに、学生たちが自分の指示をよく聞いてくれて、バンバン結果を出してもらえる体験ができる環境づくりをしないと意味がないのでしょう。日本語教師養成講座を通して、そこに気づきました。
さて、セミナー直前に東京にいたので、「釜山へ飛ぼうかな」と思ったのですが、「オンラインで大丈夫ですよ」とおっしゃるので、福島に戻ってお話しました。
会長の柴田先生から「次回は釜山の大学に何百人もの学生を集めて、そこで模擬授業をしてもらいましょうか」とおっしゃるので、それもしたいですし、釜山の大学にも日本語学校にも全部行ってみたいと思います。最近は、毎朝早起きして、勉強を終えた息子と「ウヨンウ弁護士は天才肌」を見ていて、親子でパクウンビンさんに夢中です。子どもたちも韓国訪問を楽しみにしています。