北浦和の国際交流基金で研修会を担当しました。中国で行われている日本語授業の多くは、私たちが中高で受けてきた英語授業と同じスタイルで、先生方は文法説明をされるのですが、それを野球に例えるなら、先生がコーチになって、学生たちの野球の技術を鍛えるのではなく、審判になって、野球審判のセミナーをしているようなものです。だから学生たちは野球がうまくなりません(日本語が上手になりません)。簡単な理屈なので、この話をすると、誰もがハッとします。ただ、これは個人の問題ではなく、前例踏襲のせいだと思います。
ベテラン教師になれば、文法に関する質問にしっかり答えることができますが、学生に復唱してもらい、同じように説明できるか?といえばそうではないので、はたから見れば、やってる感は出ているけど、ちゃんとやっていないと判断できそうです。しかし、ベテランの説得力、話術に丸め込まれてしまい、学生が伸びないわりに、先生が素晴らしいと評価されることも多々あります。カリスマ予備校講師が評価されるのも、同じ理屈だと思います。
もし、学生たちが上手に話せるように励ましながら鍛えていくやり方にシフトチェンジしたら、教室運営も劇的に改善できて、日本語教師の負担も減り、やり甲斐が大きく膨らむ明るい未来を迎えられると思います。そんな未来を期待しています。