🇯🇵🇨🇳ワークショップをするために、浦和にやってきました。恩返しのつもりで頑張ってきます。
学生たちが「笈川小楽譜」と名付けてくれた日本語アクセント表記を見て、「中国語のピンインみたいですね」とおっしゃる方がいますが、まさに日本語ピンインを使って、長年、発音指導をしてきました。
新米時代、日本語教育のことをなにも知らなかったので、日本語にも、ピンインのようなものが、当然あるだろうと思っていました。もし、いまでも中国にいて、しょっちゅう日本と行き来していなかったら、いまだに、ピンインがないことを知らないままだったと思います。
当時、スピーチ大会の会場で、ピンイン付きの台本を見ながらブツブツとひとりでリハーサルをする教え子を見た他校の学生たちが「わたしの台本にもピンインをつけてください」と。それがきっかけで、他の大学の学生たちも一緒に練習するようになりました。「笈川楽譜は、すごい発明ですね」とおっしゃる方がいますが、実は、中国語のピンインを日本語につけただけのものだったのです。
それに、愛嬌があって、流暢に話せることのほうが大事ですから、発音やアクセントをそこまで気にする必要はないと思います。
もう一つ、上手に質問に答えられる『型』があります。それを、「笈川メソッド」「笈川式」などと言ってくださる方がいますが、当時は、それが特別なものだと、わかっていませんでした。
スピーチにもプレゼンにも討論にもコツがあります。でも、自分ひとりで考えても、良いアイデアは出てきません。そこで役に立ったのは、発表者の良かった点をいくつも挙げて、ポジティブフィードバックをする習慣でした。教え子たちがそうしてくれたおかげで、『型』が出来上がりました。簡単に言えば、聞き手である私たちは、理由とエピソードさえ聞けば、ある程度満足しますし、コツがわかれば、発表者の心に余裕が生まれるので、内容を面白くすることができます。
明日は、教え子たちと築いてきたコツを使って、中国の大学で日本語を教えられている先生方に、ワークショップをしてきます。