イベント情報

第3回 スピーチ交流会

ひと月ぶりの交流会でした。
今回のテーマは『人に言うと心を傷つけてしまうひと言について』でした。
人を傷つける言葉が小学生の間ではびこっているのは、いつも耳にしているし、言われ慣れているし、言い慣れているからかもしれません。家に帰れば親も兄弟姉妹も口にしますし、親戚が集まれば自分を茶化すおじさんもいます。私たちは、いつも誰かを傷つけ、誰かに傷つけられる世界にいることを知ってもらいたかったので、これをテーマにしました。
日本に帰国してよく聞くのは、社会が私たちの自信を失わせているという話しです。交流会では、子どもたちに「ここは自分たちの場所なんだ」と思ってもらいたくて、発言が良くても悪くても良いところを見つけてフィードバックしています。不思議なもので、わたしがポジティブなフィードバックしかしないと心に決めたら、みな良い発言しかしなくなります。
今回は他人に言ってはいけない言葉の数々について話し合いましたが、「じゃ、どう言えば良いのか」については触れませんでした。次回は、発達障害の友達、うつ病の友達に言ってはいけない言葉と、かけてあげたい言葉を一緒に学ぶ予定です。言ってはいけない言葉を使うと症状が悪化し、やさしい言葉を使うと症状がよくなるそうです。
これまで、酷い言葉をついつい口にしてしまっていたのは、みんながそう言うから、それが酷い言葉だということを知らなかったから、それにほかになにを言えばよいかわからなかったからです。それが酷い言葉だとわかっていて、ほかになにを言えば良いかもわかっていて、それでも酷い言葉を口にしてしまったなら、それはなにかに追い詰められていた時、心に余裕がなかったからであって、もう、仕方がなかったんだし、いちいち自己嫌悪に陥る必要なんかないと思います。そもそも自分なんて、人に偉そうに話ができるような大した人間じゃないんだし、気にしないで、そんな過去を忘れるくらい大した人間じゃないと思って過去にさよならして、生まれ変わったつもりになって、よい言葉をどんどん口にする習慣を身につけていけば、そのうち、自分を取り巻く状況も変わってきます。いつまでも自分はダメな奴だと反省していても、大事な人からは「ああ、あいつはやっぱり自分が可愛いんだな」と思われてしまうだけです。
思い切ってやさしい人になろうと決めて、この世のすべての人に温かい気持ちで接していくだけで良いと思います。スピーチ交流会は、スピーチを学ぶことも課題のひとつでもあるのですが、スピーチがうまくできてもモテるわけではないし、高く評価されるわけでもありません。結局ひとは、能力がある人より、自分にやさしい人、自分に良くしてくれる人を大事にするわけですから、スピーチ能力なんか、ほどほどで良いと思います。もちろん会社も取引先も「あなたがわたしにやさしいから」などという理由で付き合うとは言いませんが。とにかく、必死にあなたが頑張る顔を人に見せなくても、スピーチで遊んでいればそれで充分だし、日本語学習者も必死に頑張らずに、日本語で遊んでいれば、それで充分です。
だいたい大きな成果を出す人ほど、大事なときがくるまでのらりくらりとやっていて、常に心の余裕を作ることに専念しています。そして、大事な時だけ、本当に真剣な顔でやるんです。普段から真剣にコツコツやっていたら、本番でうまくいきません。
他人に酷い言葉を使う人は、毎日誰かと戦っているので、ただ生きているだけで疲弊しています。だから、温かい気持ちで人に接するのです。自分に牙を向く人が減ったら心に余裕が生まれて、やりたいことに専念できます。そうしましょう。

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