イベント情報

朝一番の読み聞かせ会

朝一番の読み聞かせ会、今回は小学校三年生教室で、自分で作った会話文を朗読しました。
会話文に登場する王君に子どもたちは釘付けで、感想タイムでは、王君を批判するコメントが飛び交い、もう一人の登場人物・李君のように家族の役に立ちたいというコメントも続きました。
活動の最後にわたしは「立派な両親がいて、裕福な家庭で育つと、意外と息苦しいかもしれません。もし、周りに自慢話ばかりして、他人を傷つけるような発言をする友だちがいたら、その友だちは普段辛い思いをしているだろうから、みんなでその友だちにやさしくしてあげてくださいね」と話したところ、みんなが大きな声で「はい」と返事をしてくれました。
最近、ネットで誹謗中傷の記事を目にしますが、匿名で特定人物を批判、攻撃をする人は、心が荒れていて、すでにギリギリの状態なのだと思います。「誹謗中傷するな!」という意見もありますが、誹謗中傷する人を悪者だと思ったら、私たちは、敵として見てしまうかもしれません。
「だめだ、あいつは心が腐ってる」と批判的にいって突き放す人もいますが、実は、ほんとうに心が腐っていて、とても痛くて苦しくて、匿名で誰かを攻撃することで、なんとかその場をしのいで、なんとか自分の命をつないでいるかもしれません。
「そんなヤツは、普段は意外と普通にしているよ。気にするな」という声もありますが、それは、普通に見せているだけで、つい感情が表に出てしまい、周りに迷惑をかけたり、周りとたまにバチバチぶつかったりすることもあるだろうと思います。
他人を批判したり攻撃したりする人たちの心の負担は大きく、自分まで傷つけます。いじめる側も、すでに心が病んでいて、痛く苦しく、救いを求めますが、どうしようもなく、誰かをいじめることで、自分の心を麻痺させて、いま、この瞬間をしのいでいるのだと思います。
小中学校の調査で9割がいじめを受けた経験があるそうですが、一定の割合でいじめに加担もしているはずです。
こうなると、わたしがいじめる側を擁護しているだろう?と誤解されてしまいそうですが、そうではありません。他人を批判、攻撃する人を産み出すこの環境を、私たちが作っていると自覚して、そこを変えていけば、いじめ自体がなくなると思うのです。
たとえば、有利な立場の人がもったいぶって不利な人を救いませんが、上の人間が下の人間を生意気だなと思わずに対等なんだと考えていれば、いまの環境が変わっていくと思います。有利な立場の人が思い切っていじわる心を捨てれば、自分も楽になりますが、なんとか自分の立場を守ろうとして、他人を傷つけながら、自分のことまで傷つけていることに気づきません。わたし自身が教師で有利な立場だからわかるのですが、もし学生や部下と自分は対等なんだと考えていれば、彼らから冷たい視線を感じることもなくなります。
また、教師がよかれと思って、学生や同僚、後輩の間違いを指摘したり、注意したりして、正義感を示しますが、そろそろ温かい目で見守りませんか。批判的な視点を持つことと人を批判することは同じではありませんし、殺伐とした中で誰かを注意したところで、事態を悪化させるだけです。確かに、これまでの価値観を簡単に変えるのは難しいかもしれませんが…。
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