吉林省、山東省の大学から150名の先生が参加され、連夜のセミナーの後、たくさんのメッセージをいただき、忘れられない5日間になりました。
一番多かったのは、「わたしは授業中、学生を褒めたことがなかった」という声でした。もちろんただ褒めれば良いというわけではなく、学生たちが健康的に成長できて、日本語も上達できれば、どんなアプローチでも良いと思います。授業中、厳しくやって、学生を褒めることをせず、それで学生の日本語力が伸びず、学生の心が病むくらいなら、褒めて伸ばすのも選択肢としては「あり」ですよね。でも、褒めて伸ばすにも成功体験が必要ですし、成功体験を得るためには、失敗してもめげないメンタルが必要なので、自己肯定感の低い先生に課題を丸投げしてはいけないと思いました。
「誰からも褒められることはありません。新しいやり方を試す勇気もありません。自信を喪失し、ストレスがたまっていく中で、笈川さんのように学生たちと楽しそうにやりながら、数日で成果を上げられるのを見て、自分の存在意義を疑ってしまいました」という声がありました。こんなとき、どう言ったらその先生の気持ちに寄り添えるのかわからず、まだ保留したままです。もし良いアイデアがあれば教えてください。ポジティブに答えたいです。
学生たちも先生方も「自信を持つこと」を強調されます。それは本当に大事なことで、間違っていないと思います。ただ、自信というのは、手っ取り早く手に入れられるものでないようにも思います。自信をつけたいなら、毎回ごまかさないでやる。思い通りに行かなかったときこそ、ごまかさずに確認作業をきっちりやることが大事だと思います。人によっては、ごまかしながらやっているように見えますが、そこをつついてはいけないと思いますので、「仕方ないですよね!それでいいですよ」と口にすることがあります。というか、ほとんどそう言っています。今回のように参加者が多いイベントでは、特にそうなります。でも、「仕方がないですよね」という言葉を絞り出すときに、心の中では「ごまかさないで、確認作業をし続けて!」と叫び続けています。
学生にはさらっと言えるのに、大人が相手だと、なかなか言えないものですね。