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日本語スピーチ判定アプリについての質問より。②

昨日の続き……
専門学校の学生たちから教えられたことは数えきれません。
教室に入ると、目を輝かせて駆け寄ってくる彼ら。「先生!」と手を振って走ってくる姿に、励まされました。
心から歓迎することで、何倍ものパワーを与えられるのだ!と思いました。
けれど、やがてその目の輝きが消えていきました。最初の熱は、やがて「日常」に変わり、珍しさが薄れていくのは当然のことです。
そこで考えました。
「僕のほうから学生を歓迎しよう」
教室に入ると、最前列の学生たちとハイタッチを始めました。すると、彼らの表情が、少しずつ明るさを取り戻していきました。
誰かを指名すると拍手が起こり、発言が終わるとまた拍手とハイタッチ。小さな習慣が、教室の空気を変えていきました。
きっと彼らは、先生の話を黙って聞くのが苦手だったのだと思います。中学時代、私の成績が割と良かった頃、頭の中で先生の話にツッコミを入れたり納得したり、無言の対話をしたりしていましたが、小学生で成績が悪かった頃の自分は、ただ黙っているだけ、聞いているふりをしているだけで、授業妨害こそしませんでしたが、頭の中のシャッターはいつもおりていました。
ただ、彼らを担当する先生は、そのことを理解しようとしていなかったかもしれません。学生を管理する際、力で押さえつけるのが当時の常識だったようです。校則違反をした学生の親は、「うちの子どもを、退学だけはさせないで」と嘆願して、担任の先生にお金を支払っていたそうです。「問題児に目をつけて怒鳴り続ければ、その学生はどんどんおかしくなっていくから、副収入がどんどん入る」と言って笑う先生がいました。
壁はあまりに高く、自分の力ではどうすることもできませんでした。
でも、専門学校での日々は、今も特別な宝物です。一つだけ確かなのは、あの教室には、真っすぐで、ひたむきで、少し不器用で、私を信じてくれた学生たちがいたということ。あの日々を胸に、今も「教師」であることを誇りに思っています。
それらのエピソードと彼らのような心温かい学生たちへの思いから、日本語スピーチ判定アプリを作りました。
(続く)
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