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日本語が話せない外国籍の子が急増中

僕はこれまで、世界各地、日本各地で小中高大学生向けの講演や授業を行ってきたんだ。そして、どの国に行っても、僕が最初に伝えている言葉があるよ。
「あなたのメンツを潰しません。あなたを傷つけません。あなたを笑いません。」
日本、中国、韓国、フィリピン、マレーシア、ポルトガル、イタリア、ポーランド、エジプト、ジャマイカ……。文化も宗教も言語も異なる国々で、このことを最初に伝えたよ。若者たちの反応は、世界のどこでも、ほとんど同じだった。表情が柔らぎ、「ここは安全な場所だ」という空気が生まれたよ。僕は「恥をかかせない」「否定から入らない」「失敗しても大丈夫」という前提を最初に共有したかった。
15年前、中国の大学生たちは、すでに「肩書きがある人=尊敬する」という反応を見せなくなっていた。その大学の学院長が僕の紹介文を立派に読むと、学生たちの顔がどんどん曇っていった。今の日本の大学生も、よく似た感覚を持っているね。これは、若者が大人を軽んじている、という話ではないよ。彼らはまず「自分を否定しないか」「人前で恥をかかされないか」「安心して話せる相手か」を敏感に見ているんだ。つまり「安全かどうか」を判断しているんだ。ネットやSNSの時代に育った若者たちは、立場や肩書きの裏側も、簡単に見えてしまう世界を生きているから、「人として信頼できるか」を大切にしているんだ。講演の冒頭では、こうも付け加えるよ。「僕は立派な人間ではありません。皆さんの妹や弟のように見てください」と。すると、会場に笑いが起き、空気が変わる。これは上下関係をゆるめる合図だよ。いまの若者は、「正しい人」よりも「間違えても、やり直せる人」「自分の尊厳を守ってくれる人」に心を開くよ。誤解しないでもらいたいのは、「権威を手放しましょう」という話ではなくて、「安心を先に渡そうね」という提案だよ。安心できて初めて、学びが始まる。世界のどの国でも、同じだったよ。
日本語が話せない外国籍の子どもたちに、「ここは安心できる場所だよ!」と知ってもらうことが一番大切なんじゃないかなと思うんだ。
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