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振り返り②:「いじめ体質」を見つめる勇気

🌸振り返り②:「いじめ体質」を見つめる勇気🌸

昨日、「いじめ体質」についてお話ししました。まず最初にお伝えしたいのは、これは誰かを非難したり、「あなたはいじめ体質が強い」と決めつけたりする話ではありません。

特に日本では「自分にもいじめっ子の要素がある」と告白すること自体が、炎上や批判の的になりやすい現実があります。だから、誰も「いじめたことがある」とは言えず、振り返りすら難しい…。それは、“社会が人に引き返しを許さない構造”だからだと感じています。匿名アンケートで「いじめられた」と答える人は多いのに、「いじめた」と答える人はほとんどいません。けれど、無意識のうちに誰もが「加害者」的な行動をとってしまうことがあります。たとえば昨日ご紹介した自己点検の例のひとつ、「相手の失敗を見つけると、つい口に出してしまう」──これは、私も何千回、何万回とやってきましたし、これまで出会った人のほとんどがそうでした。

次に「人の話を最後まで聞かず、『それは違う』と遮ってしまう」。これは、立場の上の人に多い“習慣的な癖”のようなものかもしれません。そして「自分が正しいと思うと、相手の気持ちを考えにくくなる」。今でこそ相手の気持ちを想像できるようになりましたが、以前はできませんでした。陰口を言ったり、反論されて腹を立てたり――それらが、“いじめ体質”のサインだと気づいてからやめました。もし自己点検項目が1000あったとしたら、無自覚のまま、1000すべてに当てはまっていたかもしれません。

ところが、外国でたくさんの人と出会う中で気づきました。いじめ体質ゼロの国など存在しませんが、おおらかな人が多い国に行くと、自分の小ささや傲慢さにハッとすることがあります。それで、授業でポジティブフィードバックをするようになりました。教室に“ポジティブフィードバック文化”が根づき始めると、不思議な変化が起きました。自然に尊敬してもらえるようになり、真剣に耳を傾けてもらえるようになりました。

教室から、いじめ体質特有の“攻撃的な表情”をした学生がいなくなりました。もし、日本のあちこちにポジティブフィードバック文化が広がったなら──先生も、学生も、もっと幸せに生きられる社会になるのではないか。そんなことを考えています。

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