イベント情報

復興庁主催『日本語作文コンクール』

今月、中国の大学を日本語で受験した生徒数は50万人だったそうです。中国では、日本語学習者が増え、日本語ファンが増えることを目指していたので、明るいニュースを聞くたびに内心喜んでいました。ところが、コロナ以降、「学習意欲のない学生が増えた」という声を、多くの先生から聞きました。

日本語教師研修の講師を担当するたびに、「日本語教師が試験に出やすい文法の説明をしても、学生たちに学習意欲がなければ、ちゃんと聞いてもらえません。たとえ学生がその場で理解できたとしても、次の週には忘れます。ですから、授業スタイルを変えてください!学生たちに毎回人前でスピーチする機会を作って、一人一人の発表が終わるたびに、教師が学生に褒め言葉のシャワーを浴びせるだけで、学生たちは学習に興味を持ってくれます!」と言い続けてきました。しかし、カリキュラムをこなさなければいけないという理由で変えられず、多くの高校では、成果が出ないことが理由で、今年9月から日本語授業が打ち切りとなり、大学では理工系大学を中心に日本語学科が消滅するそうです。

まだ日本語授業が打ち切りになっていない高校、日本語学科が消滅していない大学の先生方も、「わかっていますが動けません」とおっしゃいます。その先生方に「笈川さんはいつも順調で良いですね」と言われますが、もどかしい気持ちは同じです。

苦しい勉強を無理やりやらされる感覚でやり続け、勉強嫌いになってしまう若者がいます。また、自分の能力が発揮できる良い機会だと思って、学ぶことを楽しんでいる若者もいます。仕事も勉強もバリバリ頑張る人に「やらない」という選択肢はありません。でも、「やりたくないことを先延ばししたい」という大きな選択肢があって、やらなきゃいけないこともせず、苦しんでいる人がいます。わたしはその両者とも「頑張っている」と思っています。一方はバリバリやって力を尽くし、もう一方は、苦しみを我慢することに力を尽くしています。

こんなことを書いているわたしも、いち時期、「自分が苦しみを乗り越えて頑張ったから今がある」と本気で信じていました。でも、久しぶりに教え子たちと会って話を聞くたびに、「あの頃の先生は人生を謳歌していたね。いつも大笑いしていたよ」と言われ、実は、苦しみを乗り越えて未来をつかんだわけじゃなかったのだと気づきました。

ちょっとわかりにくかったかもしれません。人生を謳歌していた30代は、学生たちと四六時中ともにしていたので、楽しい思い出ばかりです。しかし、苦しむために苦しんでいた20代があったから、40代でやりたいことを見つけられたのだと錯覚していました。実は、苦しむために苦しんでいた20代を30代でも続けていたら、40代でやりたいことが見つからなかったと思います。自分には、人生を謳歌していた30代があったからこそ、40代でやりたいことが見つかったのだと気づきました。

それと、実力よりもコネが大事だと言われますが、人間関係は複雑で難しいとも言われています。でも、人間関係をスムーズにこなしている友人を見ると、他人の悪口は絶対に言わず、誰かにおちょくられ、ひどい言い方をされたら、誠実そうな顔になり、「すみませんでした」と言ってから、ニコッと笑います。みんな一瞬で彼を好きになります。その瞬間を見たら、自分はなんて自分を大切にしないヤツだったんだろう?と思って、嫌になりました。人生を難しくしていたのは他人じゃなく、自分だったのですね。だから、人生を謳歌しなきゃって思います。

また、長くなってしまいました。新聞記事をご紹介します。世界に400万人くらいいる日本語学習者の中から、毎回5000名前後が応募してくれています。サラリーマン川柳に毎年応募していた教え子は、その後、日本語が上手になりました。この作文コンクールは、無料で誰でも応募できるコンテストですので、気軽に応募していただきたいと思います。
https://news.yahoo.co.jp/.../2cdfcd25d38233ebacfc42f792d4...

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