小学校で、保護者と先生向けに講演をしてきました。
今回、「表彰されるまでにしてきたことを自己紹介に組み込んでください」と言われました。これは、自慢話をするようなもので、一部の、人の自慢話を良い勉強になると思える方々を除いて、自慢話は、ほとんどの人を不快にさせてしまいます。昔の人は、狩りをして捕まえた獲物をみんなに配りながら自慢話をしていたそうで、ご馳走を食べながらなら、多くの人は、BGM代りに自慢話を聞いても不快に感じないらしいのですが、基本的には、ただただ他人の自慢話を聞くのは苦痛でしかありません。ましてや、聞きたくもない説教に自慢話が入っていたら最悪のCDアルバムです。
長い説教も、多くの人を疲弊させてしまうので、説教をされるたびに成長できる一部の人を除いては、30秒以内で終えてくださいと話しました。
いま、ちょうど褒め褒めシャワー・プロジェクトをしている真っ最中で、先生方には、褒めるスキルを磨いてもらっています。日本語が上手でない学生に向かって「上手ですね」と言うのも大変な努力ですが、「誰にでも軽く褒めるね」と指摘されたら、褒めていた先生方の脳がフリーズしてしまいます。自分が無理して褒めていることがバレて恥ずかしくなるからです。でも、間髪入れずに「ほんとにそう思っているよ」といえば、かえって、指摘した相手の脳がフリーズします。それに褒め続けていれば、上手でない学生も半年後には上手になります。
ただ、為末大さんによると、振り幅が大きいほど、人は大きく成長できるそうですから、ポジティブ・フィードバックをしてくれる数名のメンターをそばに置く他、嫌われ役を買って出てくれるタイプに罵られるほうが、成長を早めることができるかもしれません。とえいえ、人生を振り返ってみると、50を過ぎてから気づくことのほうが、49までに気づいたことより、ずっと多いので、急いで成長する必要もないのかな?などと考えてしまいます。
果糖入りドリンクを飲まないことだって、スマホを見過ぎないことだって、頭ではちゃんとわかっていますが、心がわかってくれないから、良い習慣が身につきません。講演会を聞いた人がすぐに気持ちを切り替えられるわけではないと思いますが、状況がゆっくりと変わっていったら良いなと願っています。