イベント情報

広野わいわいプロジェクト

高校時代のクラスメイトの娘さんが、毎年この時期にイベントで広野町に来てくれていると聞いたので、ワクワクしながら会ってきました。彼女が引率してきた大学生20名とビーチでランチしました。大学生たちは、今時の若者らしく、総じて礼儀正しく、やさしい目をしていて、きつい声を出す人もヤンチャなタイプも皆無で、優等生に見えました。でも、「自分には勉強の能力が足りない」と感じている学生もいました。

私は高校野球部員だったので、イップスという言葉をよく聞きます。極度の緊張から、昨日までできていた送球が急にできなくなるという現象はあちこちで見られました。ただ、私は元々下手だったので、監督から期待されることもなく、怒鳴られることもありませんでした。それが理由で、自分はイップスを経験したことがありません。

しかし、高校時代、授業中に指名されてうまく答えられなかったり、自分の回答を聞いていたクラスメイトたちに笑われ、恥をかいたり、先生が、「お前は野球部だから仕方ないか」と言って、あきらめの表情を見せたりした瞬間、風船の空気がぶぶぶと音を立てて漏れていくように、一気にやる気を失い、その科目が嫌いになってしまったという経験はあります。せめて、正しい解答を聞いた後、みんなの前で堂々とその答えを言うプレゼンテーションの機会が欲しかったです。

高校生だった自分は、その時、小学生の頃に落ちこぼれた人、中学生の頃に落ちこぼれた人と同じだったのだと気づきました。大学生で勉強イップスに陥ってしまう人も、大学院生で論文イップスに陥ってしまう人も、会社に入って仕事イップスに陥ってしまう人もいるかもしれません。自分が教師の立場、上の立場だからわかるのですが、上から大声で怒鳴り散らしたり、呆れた顔を見せたり、ミスをからかい、恥をかかせたりするだけで、容易に他人をイップスにさせることができます。そういう現場も幾度となく見てきました。せめて説教は30秒以内にすることをルールにしたいです。

昨年末に他界された小倉智昭さんは、物心ついた時から吃音で苦しみ、「周りを見返したい」という強い思いから、アナウンサーとしても司会者としても活躍されました。しかし、地元に戻ると、どもりがぶり返すそうですから、根本のところは治らないのかもしれません。

イップスは、たぶん仕組みが悪いだけで、誰が悪いかを言っても仕方がないのでしょう。まずは、どこへ行っても学生たちのイップスを解くところから始めたいです。もちろん、地元に戻るとイップスがぶり返すかもしれませんが、新しい場所では、やる気に満ち溢れ、可能性が広がります。

今回、大学生たちと別れる前に、マイクで少しだけお話する機会がありました。勉強嫌いな人、勉強を苦手だと思っている人は、本当は能力が足りないわけじゃないよ!というお話をしました。彼らのキラキラした目を見ていたら、自分もやる気が湧いてくるのを感じました。

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