イベント情報

埼玉大学講演会

今回の講演会では、表情や態度ひとつ、小さな意地悪な行為だけで、簡単に人の心を傷つけてしまうからやめましょう!という話をしました。
最近、世界の教育現場では、クラスメイト同士、教師と学生、親子の小さな言動や表情が互いにどんな影響を及ぼすかという研究が進んでいると聞きます。その中で、「マイクロアグレッション」という考え方があります。難しい言葉ですが、内容はシンプルです。小さな言葉や態度が、相手の心に思った以上の影響を与えるという意味です。
これは、安心できる学級づくりに役立つヒントとして、共有させてください。
もっとも多いのが非言語的攻撃です。たとえば、話を聞いた瞬間、呆れたり、ふっと鼻から息を抜いて笑ったりするだけで、相手は傷つきます。電車の中で大泣きする赤ちゃんを抱く母親を白い目で見る行為も、面倒くさそうな表情も、他人が話している最中に時計を見るしぐさも、学生の言い間違いを聞いた瞬間にこわばらせる表情も人を傷つけます。
また、楽しそうに話している途中でバッサリ切る人がいます。「はいはい、もういいから」「それ、前にも聞いたから」と遮ったり、最初から聞く姿勢を見せなかったり、急に黙って、沈黙で相手にプレッシャーを与えたり、他人の話を奪って自分の話をしたり、途中で勝手にまとめたりする人がいますが、自分も周りからそうされてきたし、「それのどこが悪いの?」と本気で考える人がいます。
ストレートな言い方で人を傷つける人もいます。「だから何?」「それって意味ある?」「で?」「考えが浅いね」「なんでそんなことも分からないの?」「無理だよ」が口癖の人もいます。
ストレートじゃないけど、「すごいね、思ったよりは」「うまくいったね、あなたにしては」「すごいね、それって自慢?」というのが口癖の人もいます。
相談されたのに軽く流したり、無視したり、同じ空間にいても挨拶しなかったり、わざと名前を呼ばないで「あの人」と言ったり。小さな言葉や行為が、人の自尊心を削って、自信を奪って、成長を止めるので、最終的には暴力より深刻な影響を与えることがあるそうです。
いままでやってしまったことは、反省して、気持ちを切り替えて、今日からやり直しましょう。
楽しく話している人よりも、楽しそうに聞くことが、マイクロアグレッションを消す最強のやり方です。眉毛をあげて、目を大きく見開いて、笑顔で頷きながら人の話を聞く習慣を身につけましょう。
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