遅刻してしまったとき、日本人はよく、走って息を切らしながら「すみません!」と反省顔で謝ります。しかし、その姿を見て、「わざとらしい。なんでそんな演技をするの?」と驚いたり、呆れたりする外国の方もいます。
日本人にとっては、普通の行動でも、外国人には、理解しにくい行動に見えることもあります。
上司が「できる範囲でお願いね」などと曖昧な指示を出すこともありますが、
「今日の17時までに作業を終えてください。難しければ、16時半前に知らせてください」という意味だと理解できれば、悩まず仕事を進められます。
また、上司から「軽く目を通しておいてね」と言われたときも、
「ああ、この資料を3分で読み、誤字や脱字だけ確認してください。」という意味か、とわかれば、「かしこまりました!」と笑顔で返事ができます。
もちろん、最初からできる人はいませんし、失敗しながら覚えていくものです。間違いを恐れず、「間違えても大丈夫だ」という気持ちでチャレンジすることが大切です。同時に、上司の側も「どんな指示が外国人部下を困らせるのか」を知っておくと良いと思います。互いが互いのことを知っていれば、ストレスが減り、職場の雰囲気も良くなります。たとえばネパール人社員が日本人の同僚からどんな言葉をもらうと嬉しいのか、逆に日本人社員がネパール人の同僚からどんな言葉をもらうとモチベーションが上がるのか。こうしたことも、双方が知っておいたほうが働きやすくなります。当日は、埼玉大学の留学生たちに、このようなお話しをして、質疑応答の時間もたっぷり取りたいと思っています。