【東京主催】
3ヶ月に渡って行われた内定者研修がおかげさまで無事に終わりました。2年前までは、中国人学生以外に授業をした経験がほとんどなかったので、この仕事のオファーをいただいたことは幸運以外のなにものでもなかったですし、ひるまず引き受けてよかったです。
インドからの参加者への対応は慣れてきましたが、油断しないように気をつけていました。また、インドネシア、マレーシア、ベトナムからの参加者が毎回いますので、今回は余裕を持って対応できました。しかし、タイ、フィリピンからの参加は初めてで、最初は戸惑いました。ラッキーだったのは、この2人は、宿題のノルマを毎回倍の量をこなしてくれたことです。授業外でのやりとりが倍になれば、信頼関係を構築できる可能性も倍に増えます。「頼ってください」と言っても、そうしてくれるとは限らないので、今回は実際に頼ってもらえて、本当にラッキーでした。
このクラスはこれまで2年以上やってきて、一番と言って良いほど仲の良いクラスだったと思います。「オンライン授業でそれが実現するなんてすごいぞ!」と、この点に関してはかなり自信になりましたし、誇れるところです。
それと、学生たちひとりひとり本当に素晴らしいということを教師は実感して、それを言葉にしなくても、体全体で表して良いと思っています。
確かに、この教室に来るまでは、学生たちは知り合いがいないので、全員怖がっていました。でも、それが当たり前ですよね。ただ同じ場所に集められただけで、「さあ、あなたたちは仲間です」と言われても、全員キョトンとするしかありません。
そこで、人付き合いの基本通り、相手の話を聞くときに、前のめりになって、興味津々に、あるいは興味津々なフリをして、笑顔で、大きくうなずきながら聞くことから始まりました。
次に、相手がどんなクセのある学生でも、その学生の良いところを見つけて認めることで、自分の心が広くなっていきます。ですから、もともと心の狭い人間かどうかは関係なく、いま、この瞬間に心の広い人間を目指せるわけです。教室運営は格段にやりやすくなりますし、学生たちに課題を任せても安心です。
さて、心が広くなったところで、相手を認める言い方、相手の長所を見つけたときの言い方を学びます。本題に入る前に「あなたはすごい。わたしはあなたを認めています」というサインを出すか出さないかで、その学生の意見に対する周りの評価が変わってくるからです。
あなたが周囲を認め、周囲があなたを認めたなら、あなたは賛成意見も反対意見も両方言えるようになります。周囲もあなたの反対意見を認めるので、誰もストレスを抱えず、より良い授業になっていきます。
教師であるわたしも常に笑顔で学生の発言を聞くようにしています。常に笑顔でいないと、学生がせっかく面白い話をしても、とっさに笑い声を出すことができないからです。元気な空気を作り上げるために、常に笑顔をキープすることを心がけています。
学生たちの声を聞くと、「教科書の単語と文法を暗記する授業だと思っていました。日本に行くまで日本語は話せないものと思っていたのに話せるようになって、会社への報告や近況を話すのが楽しくなりました」などと言ってくれています。日本各地でこのような内定者研修や新人社員研修が、多くの日本語教師によってたくさん行われていくことを願っています。
https://youtu.be/avzSNDq0QOA