【福島浪江】きれいな景色を見ているときの人の笑顔が好きです。だから、同じ美しい景色を見たいです。
今回、津波に流されてできた広い土地を見て、中国人留学生たちに「ここに高層ビルが立ち並ぶ様子がイメージできる?」と聞くと、「はい、もちろんです」と答えてくれます。日本人スタッフに聞くと「いや、それは…」となります。
考えてみると、先進国に生まれた自分は、日本で自国の発展を見たことがありません。きっと日本で生まれ育った同世代も同じだと思います。田舎町にビルが立ち並ぶところを見たことがないから、イメージできないのも当たり前です。20年中国にいたから、なにもないところにビルが建てられる様子を色濃くイメージできる自分は少し麻痺しているように思いました。
たしかに、いま働いている日本人は、高いクオリティを維持してきましたし、現状維持のために、ありとあらゆる努力をしてきた、そして、していると思います。でも、イメージは足りないように思います。だからと言って「これから発展していく国々へ行ってみなさい」なんて偉そうなことは言えません。でも、いま、日本の若者たちが発展している国々を見て、そこで暮らすことは、日本の明るい未来にとって、良いことなんじゃないかと思います。留学前に母に言われた「できあがったものばかり見てるんじゃないよ、お前は」という言葉の意味が、いまならなんとなくわかるような気がします。
昔の人がいうように、イメージできないものは、実現できないとおもいますから。