ここで、反省の態度が伝わらないと、上司は「あなたには誠意がない」と感じ、1分で終わるはずの注意が30分以上続いてしまうこともあります。そんな状況が何日も続けば、部下にとっても大きなストレスになり、最悪の場合、職場を去る原因になりかねません。
〜高校時代の体験から〜
高校時代、野球部員でした。監督は説教好きで、長いときは30分以上話が続くこともありました。ところが、私のチームのキャプテンは実に見事な対応をして、監督の説教を毎回わずか1分で終わらせていたのです。1分後には監督はご機嫌。私たちは短い説教に救われ、気合いの入れ直しが容易くなりました。
当時は「なぜキャプテンがいる時だけ監督の説教が短いのだろう?」と不思議に思っていましたが、後になって分析すると、彼が取っていた態度や表情が「反省のサイン」として監督に伝わっていたのだと気づきました。
その経験を基に整理したのが、これからご紹介する「3つのステップ」です。
ステップ1:最初の1分は黙ってうなずく
* 反論せず、静かに相手の言葉を受け止める姿勢を見せましょう。
* 笑わず、口を強く結び、口角を下げてください。これで「真剣さ」「反省の意思」が相手に伝わります。
* さらに、少し目を伏せて真剣な表情を保ち、何度もうなずくと、「聞いています」「受け止めています」というメッセージになります。
ステップ2:短い相槌を入れる
* 1分ほど経ったら、タイミングを見て「はい」と短く答えます。
* 最初は小さな声で、徐々に声を大きくしていくと「理解が深まっている」と伝わります。そのたびに相手の目を、誠実そうな目で見てください。
* 上司の発話の句読点では、餅つきの「合いの手」のように間髪入れずにリズムよく相槌をいれ、声のトーンの豊かさで誠意を表現することが大切です。
ステップ3:最後に感謝と前向きな言葉で締める
* 話の区切りごとに「ありがとうございます」「頑張ります」と伝えましょう。
* これも最初は小さな声で、少しずつ力強く言うと効果的です。
* 上司は「伝わった」「もう十分だ」と感じ、話を自然に切り上げてくれます。
まとめ
* 日本の職場では「反省しているサイン」が誠意の証として重要視されます。
* 「口を結び口角を下げる表情で静かにうなずく」「短く相槌を打つ」「感謝と決意を伝える」という3ステップを意識するだけで、注意を受ける時間は短くなり、誤解も減ります。
* 高校時代の野球部のキャプテンが実践していたように、これは単なるマナーではなく、相手に誠意を伝える文化的知恵です。
* この工夫を身につければ、誤解を避けながら上司と信頼関係を深め、安心して働くことができるでしょう。
反省は、自分が成長するために必要なことですから、後で、ひとり静かにしっかりやりましょう。また、説教を受けるときに反省を示すことも同じくらい大切です。上司に無駄な精力を使わせてしまうのもよくありません。
いわゆる「しつけ」的なものを、厳しく言って、わかってもらえる場合もありますが、楽しい訓練で学ぶアプローチもありかもしれません。いよいよ明日、オーストラリアへ行ってきます。