イベント情報

一人の失敗をやさしくフォローする

https://www.facebook.com/771102248/videos/pcb.10163507564617249/24811744181763188

6月にスピーチ大会を行ったときに、ある先生がおっしゃいました。「もし、あのときの私の大失敗を誰かに責められていたら、きっと私は辞めていました」と。
今、私たちは、誰かのミスを、やさしく、上手にフォローする訓練をしています。
よく耳にします。「上司に叱られた翌日、会社を辞めてしまった若者がいる」と。その理由は、「会議でメモを取らなかった」「書類をホチキスで止める位置が違った」「『了解です』と返事した」「上司より先にエレベーターに乗った」「お土産のお菓子を二つ取ってしまった」…。本当に、ささいなことです。
厳しく叱っただけで人材が失われてしまう。私たちはその重さを、軽く見ているのかもしれません。もし自分が逆の立場なら、心が折れるのも理解できますよね。
一人の失敗をやさしくフォローすると、その一瞬、場の空気は変わります。そして、もし全員が空気を変えられる存在になったら、現場にいる一人一人が、安心して働けるだろうと思います。今回、先生方が皆、そのことを意識してくださっているおかげで、ハプニングや小さなミスさえも、笑顔に変わり、会場の空気が温かくなりました。学生たちは、そんな先生方の姿を見て安心します。だから、思いきり挑戦して、上達できます。
重い荷物を抱えて階段を上っているときに、外国人の方が「持ちましょうか」と手を差し伸べてくれたら、「こんなことしても、何の得にもならないのに」と思いながらも、心から嬉しくなるはずです。長く海外に暮らしている日本人も、きっとその国の人々から、“得にもならない親切”をたくさん受けてきたのだと思います。日本語授業を通して、先生方にも学生たちにも、得にもならない親切で、困った人を助ける訓練をしたいと思っています。
シェアする