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コヴェントガーデン(決意の地)

はじめてロンドン🇬🇧にやってきたときは、大英博物館で感動して涙を流す女子の気持ちが理解できませんでした。今でも人の気持ちをくむのは得意ではありませんが、当時、よくあんな感じで生きてこれたとあきれてしまいます。

芸術品や美術品を見ても「だからなに?」「どこがえらいの?」と思っていて、心の中で作品を作った人と会話したこともありませんでした。だから、なにを話しても、なにを考えてもなにをやっても浅かったと思います。

日本語教師になってからは、学生の作文を添削したり、録音を聞いてフィードバックしたりするときには、心の中で、その学生と会話するようにしています。それをしないなら、ただの作業になってしまいます。

面白いもので、作文コンクールでよく入賞者を輩出する先生方の中には、わたしと同じようなことをやっている方もいます。声優の榊原良子さんが特訓合宿で演技指導をしてくださったときも、心の中で、演技する学生たちと会話しているように見えました。

来週、ワルシャワで30年ぶりに、ポーランド人の友人に会いますが、会えなかった期間、何回も心の中で会話していました。

もしクラスに20名の学生がいたら、心の中で、ひとりひとりに話しかけ、学生の返事を想像してみると、次の日の授業は、最初からみんな笑顔になってくれます(そんな気がします)。

そして、そうしていると、努力しなくても、すぐに人の名前を覚えることができます。

さて、せっかくロンドンにやって来たのだから、ロンドンの街と会話しようと思います。

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