在ベルギー日本国大使館で、一般の方向けの講演会と日本語教師向けの意見交換会の二本立てのスケジュールを組んでいただきました。
「すごい経験をされましたね。がんばりましたね」と褒めていただくことがありますが、本当はニートと呼ばれる人たちも悩み苦しみ、彼らも過酷な人生を歩まれ、心の中で戦っていると思います。自分とは関係ない人生だなんて思いません。
42.195キロを５時間で走るランナーも、太ったおじさんが足を引きづりながら６時間で走るのも、同じくらい大変でしょう。
前回お話した『アリとキリギリス』のキリギリスも、口ばっかりで行動せず、成果があげられないせいで、世間からは「頑張っていない」と烙印を押されてしまいそうですが、彼らも心の中では「いまのままじゃ、ダメだ。でも、一歩踏み出す勇気が出せない。苦しい」と思っていて、目に見えないところで頑張り、24時間365日苦しんでいるかもしれません。
今回、大勢の学生たちに元気いっぱい日本語を学んでもらいたくて頑張りましたし、評価していただきましたが、自分が人より頑張っているとは思っていません。そういう気持ちで、自分の中の特別な経験を、一生懸命に話してきます。
いまから、ブリュッセルへ行ってきます