イベント情報

【文科省GIGAスクール勉強会】🇯🇵

文科省の勉強会の講師として東京にやってきました。年明け第一弾、しっかり頑張ります。

うまくいったら褒め称え、失敗したらフルボッコという、W杯でもおなじみの反応を、私たちはついついしがちです。でも、中国にいるときに「ああ、やって良かったな」と思えることがありました。それは、大学生の教え子たちや同僚が失敗したときに、批判せず、すぐに励ましに行ったことです。彼らはたった数十分で回復し、エネルギーが溢れ出しました。日本語教師をしていると、授業だけでも毎日何回も学生を励ます機会があります。私が学生たちを励ます様子を見て、教え子たちもうまくできなかったクラスメイトを励ますようになっていきました。自分の励ましで相手が元気になったという経験を持つ人は、自然と人を励ますようになるのではないかと思います。

でも、北京特訓班に参加してくれたある日本人留学生に「ここは特別。みんなやさしすぎ。日本では、ダメな奴にはダメだと言って、どん底に落として潰すものですよ。学校のいじめがなくならないのは、先生の間でもいじめがあるから」と言われました。

ただ、オンライン授業ならイケるのではないかと思います。生徒たちはマイクをミュートにしているので、仮に指名された小学生が言い間違えてもあざ笑うクラスメイトがいないのが幸いです。例えば、「田中さん、6÷2=?」「2です」「惜しい。ほとんど正解。田中さん、もう一度考えて!」「3です」「正解!田中さん、完璧な回答でした。では、次の問題を山田さん!」という具合に、教師が授業の空気をコントロールできます。300人教室で私のように大声を張り上げなくても、オンラインなら誰もがポジティブな空気を作り出すことができるでしょう。もし中学生がきれいな発音で英文を読んだとしても、オンラインなら他のクラスメイトがマイクをミュートにしているので、「あはは、ヘンなの!」とあざ笑う声が聞こえません。ですから、教師が「山田さん、すごい!私より発音が遥かにきれいです!ネイティブのようですね!すごい!」といったフィードバックをすることができて、発音のきれいな生徒の面子を潰さずに済みます。山田さんの発表について、他の生徒が感想を求められても、「山田さんの発音はヘンです。あはは」とは言わないでしょう。

オンライン授業でポジティブな空気を作り出すシステムができあがったら、不登校をしている子どもたちにも気軽に出席してもらえるのではないでしょうか。もし自分が通っている教室が嫌なら、例えば北海道の授業を受けることも、沖縄の授業を受けることもできます。どこへ行っても、教師もクラスメイトもポジティブな発言をしていて、あなたの発言に対してもポジティブな感想を話してくれるでしょう。GIGAスクール環境の活かしどころは無限だと思います。

しかし、私が中国でやってきたことを日本に持ち込むのは、もしかしたら、ものすごくたいへんなことかもしれません。文科省が認めてくれるものなのか、実はすごく心配しています。

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