イベント情報

【戸田アカデミー主催音声指導養成講座】🇯🇵🇨🇳

子どもミュージカルの興奮冷めやらぬ中、連日の模擬授業に気持ちを切り替えて臨みました。

もともと私はイベントが好きでした。教え子たちの大学での勉強とスピーチ大会や作文コンクールなどのイベントは関係のないものですが、イベントに参加すれば、やる気を出して日本語の勉強をしてもらえますし、日本語の勉強もイベントに良い影響を与えてくれるので、結果、両方とも良い結果が得られました。

勉強ばかりやる、イベントばかりやるのでは、行き詰まってしまう…。やる気もなくなってしまう…。そんな気がします。

さて、本日は『限界を乗り越えること』についてです。

元陸上選手・為末大さんの話によると、特にスポーツの世界では、「鰯の頭も信心から」という言い方がある通り、指導法が良いか悪いかは関係なく、コーチと指導法を信じることで、どの選手もハイパフォーマンスが期待できると言われています。どの選手もそれがわかっていて、従順な態度でコーチの指示に従うケースが多いそうです。しかし、一旦コーチとそのやり方を疑ってしまったら最後。選手はすぐに限界を感じて、成長ができなくなるそうです。

「限界の正体は常識。人はそれを正しいと思い込み、レッテルを貼ってしまう」と為末さんはおっしゃいます。

自分の専門分野の中だけで良いやり方を追求すると行き詰まってしまい、限界を感じるようになるそうです。では、限界を超えるにはどうすれば良いのでしょうか。為末さんは「揺さぶるしかない」とおっしゃいます。つまり、専門とは違うところから、新しいやり方を取り入れ、試し続けるしかないというのです。

21年前に私は日本語教育の世界に入り、最初に目にしたのは同僚の駒澤千鶴先生の授業でした。

駒澤千鶴先生に憧れ、駒澤先生のようになりたいと思いましたが、それによって、自分の限界を感じ、「どんなに頑張っても、駒澤千鶴先生にはなれない」と考えるようになりました。

その後、駒澤先生のやり方を自分の授業に取り入れつつも、自分の強みを生かせる授業のやり方を追い求めました。

自分の強みは発音・スピーチ指導だったので、手始めに、『青年の主張』のたぐい、つまり若者によるスピーチのやり方を学び始めました。これは、スピーチ指導で効果覿面でした。美しく力強い声、誠実な表情と態度、あとはきれいな発音と正しいアクセント。そして、駒澤千鶴先生が添削する作文があれば勝負ができました。

駒澤先生が他校へ移動されてからは、内容は「可もなく不可もない平凡なもの」に変わり、発音・アクセントと表現力だけで勝負しました。そこでは、学生レベルの表現をやめ、アナウンサーや俳優、声優の話し方からスキルを学ぶことに力を入れるようになりました。

教え子の発音と表現力を極めようとすると行き詰まってしまいます。そこで、成功哲学や自己啓発の要素を使って、教え子たちと一緒に作文作りをしました。たびたびほかの専門から知識やスキルを取り入れ、揺さぶりをかけたのです。

冒頭に為末さんのお話をご紹介したように、私はかなり前から限界に興味を持つ人間だったと思います。限界を感じ、成長のスピードが止まるたびに、どのようにしてその壁を越えてゆくのか、それ自体が私の人生のテーマになって行きました。偉人の名言や世界のことわざを使って自分を励まし、周囲の人たちを励ますようになると、自然と人が集まるようになりました。

私の周囲に人が集まると注目されるようになっていきます。次第に、私は日本語教師としてではなく、日中友好活動を行う活動家として、政府機関やマスコミに評価してもらえるようになりました。

発音・アクセントの指導やスピーチの指導において成長し続けていけたのは、単に発音・アクセントやスピーチを追求せず、他分野からたくさんの知識やスキルを取り入れたからです。それによって、発音・アクセント指導、スピーチ指導の引き出しが増え、厚みのある指導ができるようになりました。

「学校で習う勉強は、答えが一つだけだから、早く答えを見つけた者勝ちだ」とおっしゃる人がいますが、人生においては、早く答えを見つける必要はないと思っています。なぜなら、早く答えを見つけたとしても、しばらくするとすぐに成長が止まり、限界を感じ、正解を不正解のように錯覚してしまうことがたびたび起こるからです。

自分が信じることを正解のままにするためにはゆさぶり続けるしかありません。他分野からたくさんの知識やスキルを取り入れ、少しづつ成長をうながせば、飽きることを先延ばしすることができるからです。

もし人生の答えを早く見つけて、飽きてしまい、成長することをやめてしまったら、人生は辛いものになってしまいます。しかし、限界の正体が常識であり、思い込みであると、いつも意識できていれば、ゆさぶり続けることができると思います。

永遠にゆさぶることを忘れなければ、飽きることなくやり続けることができます。今日から意識して、ゆさぶり続けましょう。

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