日本代表がドイツと10回戦って1回勝てるとしたら、昨夜の前半のようにやるしかなかったのでしょう。
ほとんどのサッカー関係者に「森保采配は理解できない」と言わせ、選手間でも「約束事がない」というニュース記事が出ていました。そして昨夜の前半の様子、その流れを見たときに、『三国志』や『項羽と劉邦』の漫画に出てくる奇策だと思いました。
選手交代が遅すぎるとか、指示が適当だとか、無能で無策だとか、戦略戦術とも歴代最低監督だとか、活躍できない選手を器用し続けているとか、森保監督の念には念を入れた工夫が盛り沢山でした。
そして、昨夜の試合の前半戦がこの4年間の集大成だったと思います。人は二つのことを同時に信じることができないので、ドイツ代表は「ははは、あいつら、チョロいな」と思ったことでしょう。
もし、海外の名監督が日本代表監督になって采配を振るっていたら、相手に油断をさせないチームにしていたと思いますし、その結果、日本がドイツ代表に勝つ可能性はなかったと思います。
本当は、森保監督が仮面を外したのは今回が初めてじゃなかったはずです。W杯出場を決めた敵地のオーストラリア戦も、最近のアメリカ戦もそうでした。しかし、私たちは二つのことを同時に信じることができないので、たまに森保監督が仮面を外してもそれに気づかず、ドイツに勝っても、「あれはまぐれだった」と思ってしまうはずです。そう信じるのに、この4年は十分な時間でした。
カナダ戦に敗れ、準備がほぼ完了となり、大会本番、守り一方の前半戦を経て、勝負の時が。ドイツ戦に勝つという壮大なシナリオ作りは、実は着々と進められていたのですね(笑)。