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『私たちの新時代』の取材を受けました。

うまく行っている人や国が、うまく行っていない人や国を笑うところを、たっぷり見てきました。おかげで、自分がどんなに順調な時でも、それはたまたまなだけであって、本当は五十歩百歩なのだとわかりました。ですから、自分の経験を偉そうに他人に話すことだけはしたくないと思いました。

最近、中国人大学生の就職難のニュースを見て、若い頃の自分を思い出しました。当時の自分は、同級生がボーナスで車を買ったとかマンションを買ったとかいう、うらやましいはずの話を聞いても、何も感じませんでした。「世界一おとなしい動物・カピバラは、生きていても死んでも同じで、それは自分と同じだ」と、ある中国人学生が主張していましたが、若い頃の自分そっくりだなと思って見ていました。ちょうど浪人時代、ブルーハーツの『青空』を聴いていました。「運転手さん、そのバスに僕も乗っけてくれないか。行き先ならどこでもいい。こんなはずじゃなかっただろ？」という歌詞。自分はどん底だと思っていましたが、その後の13年で、その年は一番良い年でもありました。

ただ、「明けない夜はない。やまない雨はない」と言われている通りで、坂道を転がり続け、どん底人生の13年後、ピタッと止まり、そこからカタツムリのスピードで前に進み出しました。スピードがあまりにも遅すぎるリアルを前に、あらゆるものごとをあきらめました。面白いもので、自分があきらめたら、それをあきらめられない人が滑稽に見えるようになります。自分のメリットを考えながら人付き合いをしていた過去の自分も、滑稽に思えました。

そこまで落ちると気づくこともあります。常に人に自慢できるような人生が完璧な人生なんじゃなくて、どん底人生をさんざん味わって、初めて完璧な人生になると思えた時は、気分爽快でした。

今の中国の若者、もしかしたら日本の若者も世界中の若者も抱えているどん底人生問題。「いや、まだまだ、もっともっと落ちていくぞ！」と言いたいです。でも、華やかな日常を失う代わりに、とんでもない宝が手に入ります。それは勇気。どん底人生はいつか止まり、止まってからは、周りに笑われようが、一歩一歩焦らず前に進む人生こそが、リアルで完璧な人生。もし、そう思えたら、怖いものがなくなり、チャレンジすることが日常になります。