羽田空港に着きました。目が赤いですが、スピーチ大会福島県大会のため、これから郡山駅に向かいます。
今年もわが広野町からは、サーヤン君が出場してくれます。うちの小学校は、生徒数も少なく、関係性が密なので、すごく仲良くなりますが、喧嘩するときは、バングラデシュ人のサイヤン君にとっては、きっと辛いことを言われてしまっていることでしょう。サーヤン君は、我慢強く、性格も明るいので、いまのところ、よく頑張ってくれているように見えますが、時々ヒヤヒヤしてしまうところもあって、いつも気にかけています。
さて、日本に住む外国人の中には、かなり多くの子どもたちが不登校になっていると聞きます。統計によると、日本人を含めたら34万人悪気もなく、無意識に言ってしまった酷いひと言は、心をぐさりとえぐりますが、当人以外は、毒舌に心踊り、それで結束力が生まれ、変わり者を排除するいじめのスイッチが入ります。不登校、ひきこもりについては、家にひきこもっていた方が良いと本人が判断したからひきこもっているだけなのに、「なんで学校に来ないんだろう」「なんで働かないんだろう」と他人に思われてしまいます。もし学校や会社が楽しくて楽しくて仕方がないなら、家でひきこもっている場合じゃないと思います。来た学生がクラス全員からポジティブフィードバックを受ける仕組みを授業に取り入れたら、みんなから認められ、励まされ、自信を持って堂々と意見感想が言えるのが楽しいから、引きこもらないだけです(重度なスマホ依存症は例外ですが)。
今回の移動中『悪魔の言葉・魔法の言葉』という本を読んでいましたが(いつも「言い換え術」の類の本は読み続けてます)例えば、「お前、夢みたいなことを言ってんじゃないよ」というセリフは、自分も若い頃に周りから言われて落ち込みました。少し成果を出すと、調子に乗って「次はあんなことをしたい」と上機嫌で話しましたが、その嫌らしい表情や話し方が気に食わなかったのでしょう。出る杭は打たれるで、冷や水をかけられて終わるのが常でした。その本によると、「夢みたいなことを言ってるんじゃないよ」という代わりに「よかったら計画を聞かせて。僕もサポートしたいからさ」と言うことで、相手のやる気を削かずに済みますし、モチベーションをあげることができるとのことです。わたしは先生という仕事をしていて、相手が児童生徒でも学生でも教師でも社会人でも、元気になってもらいたいし、成果を出して、実力もつけてもらいたいし、さらにさらに、謙虚になってもらいたいので、自分の思いが叶えられる知恵なら、いくらでも集めたいと思っています。
ちなみに「お前はそれで恥ずかしいと思わないのか!」という代わりに「この世に恥じることなんか、ひとつもない。次はみんなを驚かせようぜ」と言って励まします。「お前はなんでできないんだ」という代わりに、「あと3回練習しよう。付き合うから一緒に頑張らない?」と言うだけ。著書に出てくる模範回答を見たら、より良い答えがどんどん溢れてきます。
でも、なぜ自分が人を励ますようになったかと言えば、周りから嫌なことをたくさん言われて苦しかったからで、「代わりにこう言って欲しかった」というのを小学生の頃から考えていて、当時の一番の友は自分だったからです。子どもは残酷。中学生はさらに残酷でした。
その後、中国へ渡り、勉強のできる学生たちに、24時間365日囲まれて過ごすことになり、日本では聞いたこともない、画期的な勉強方法を聞きまくり、実践してきました。さすが科挙の国だと思いました。
ある日、授業見学にいらした方が「日本で10年勉強している学生より、ここの学生の方が何倍も日本語がうまい」とおっしゃいましたが、学生を励まし、学生同士励まし合いながら、授業中も放課後も宿題も、全部優れた学習方法でやれば、誰もがびっくりするようなレベルに達すると思います。
一番役に立ったのは、暗記の方法です。3分間のスピーチ原稿を短時間で覚えるのは苦しいですが、良い暗記方法を使えば怖くありません。ある大学で「中国語だけで2時間スピーチしてください」と言われ、もちろん最初からうまくできたわけではありませんが、徐々に流暢になっていき、2ヶ月後には、日本語でスピーチするのが面倒になるくらい、次の中国語のセリフが口をついて出てくるようになりました。暗記は自信につながります。大量の情報が頭に入り、アウトプットできたときは、「東大生って、いつもこんなに気持ち良く生きているのかな?」などと思ったものです。
家にひきこもるのは、学校や会社が楽しくないからだと思います。失敗したら嘲笑われるか激怒されて落ち込むので、行くのが怖くなります。毎日30分怒鳴られただけで、数日で病院送りにされます。オーストラリアの子どものSNS禁止みたいに、家でも学校でも会社でも、説教は10秒。長くても30秒以内を、国のルールにしてもらいたいです。長い説教で心を病んだ人が、次にまた他の人に長い説教をするというループを、どこかで断ち切ってもらいたいです。
そして、成績の良くない子どもたちに、授業中、黙って先生の話を聞かせても成績が伸びるはずがありません。黙っているだけで、脳みそは動いていないからです。そういう場合、優れた暗記方法を実践して自信をつけさせて、「ああ、自分の頭は悪くなかったんだ」と気づいたら、性格も明るくなり、成績が悪かったという経験があるので、成績の悪い他の人をバカにせずに済み、相手に好感を持ってもらえるので、成績の悪い子ほど、成績を良くしてあげたいです。
あっ、話が飛んでしまいましたが、明日のスピーチ大会を楽しみにしています。